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2015.06.03

【西日本学生春季リーグ戦・特集】優勝支えた花咲徳栄の“遺伝子”…榎本凌太(同志社大)

(文・撮影=増渕由気子)

 昨年秋、49季ぶりの優勝を遂げて伝統校の復活を果たした同志社大。今回の西日本学生春季リーグ戦では徳山大を下して2季連続16度目の優勝を果たした。優勝の立役者となったのは、いまや高校レスリング界で強豪校として定着した埼玉・花咲徳栄高出身の榎本凌太だった。

 西日本のリーグ戦は、試合順はくじ引きで行い、毎回試合順序が変わる。86kg級の榎本は、昨季の決勝は4番目に出場し、今回の決勝は5番目の登場。前回も今回も、グループ1位同士の闘いでチームの勝利を決める4勝目を挙げ、個人成績も4戦全勝とラッキーボーイとして活躍した。

 今年は3年生になり上級生としての立場も強くなった。榎本は「3勝1敗で出番が回ってきました。後ろ2人が後輩だったので自分が勝っておかないと、という気持ちが強くなり、すごく緊張しました」と振り返ったが、内容は圧勝。前半から攻めたてて、グラウンドに持ちこむと、またさきからフォールの体勢へ。最後は12-1のテクニカルフォールで4勝目を挙げ、チームの優勝を決めた。

 榎本は、花咲徳栄高のキッズクラブでレスリングを始め、そのまま花咲徳栄に進学。トップレベルの高校でレスリングを学んだ。今大会、ルーキーで大活躍した田辺雄史(大阪・吹田市民教室出身)のように地元が大阪というわけではなく、高坂拓也監督から勧められたことをきっかけに、興味をもって同志社大に進学した。

■同期の和智健悟(茨城・霞ヶ浦高卒)とともにチームを織り上げる

 当時、同志社大は2部に低迷中で優勝から遠ざかっていた。「入学当初、同志社大は、自由な風潮で、それぞれが特徴あるレスリングをして、いいなと思う反面、少し練習がゆるいかな」と思った榎本は、同期で茨城・霞ヶ浦高出身の和智健悟とともにチーム改革を始めた。

 まずは朝練習を再開し、練習メニューも花咲徳栄高や霞ヶ浦高、よく出げいこに行った日大で行われているメニューなどをチームメートに紹介し、同志社風にアレンジして取り入れていった。「和智とは、高校時代は同じ66kg級でライバルだったんです。対戦成績は…、僕が3戦3敗でした」。

  ライバルがチームメートになる展開に当初はぎくしゃくした部分があったそうだが、今では「和智と2人でレールをひいてきた。どういう方向でやっていくのか相談できる相手がいて本当に良かった」と、すっかり盟友としての絆も生まれた。

 苦労した点は、同志社大に関東方式の練習を取り入れさせただけではない。「高校時代は周りに強い選手がたくさんいて、ついていけばいい状況だった。今は、自分たちが引っ張っていかないといけない。自分がやりたい練習があるけど、チーム全体で必要な練習もある。そのバランスを取るのが大変です」と話した。

 文武両道を誇る同志社大だけに、授業や就職活動などで練習の参加人数が3人という時もあるようだ。けれども「メリハリをつけ、和気あいあいと一致団結してやっています。そのおかげで、今回連覇できました」と誇らしげに胸を張った。

 榎本の次の目標は秋季リーグ戦の優勝はもちろん、8月の全日本学生選手権での活躍も狙っている。高校で同期だった中村倫也(現専大)は、昨年、学生二冠王者に成長した。「僕もがんばって、少しでも倫也に追いつけるようにしたい。得意なグレコローマンで表彰台を目指したいです」と、団体、個人ともに大きな目標を掲げた。


 







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