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2015.06.26

【全日本選抜選手権・特集】「日本で最初にオリンピック出場を決めます!」…男子グレコローマン59kg級・田野倉翔太(クリナップ)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

 全日本選手権V3の倉本一真(自衛隊)、海外でも結果を残している若手有望株の太田忍(日体大)、2012年ロンドン・オリンピック代表の長谷川恒平(青山学院大職)─。激戦の男子グレコローマン59kg級を抜け出したのは、全日本選手権4位の田野倉翔太(クリナップ)だった。プレーオフでも本戦(準決勝)に続いて全日本王者の倉本を下し、逆転で世界選手権代表を決めた田野倉は「めちゃくちゃうれしいです!」と、小さな体で喜びを爆発させた。

 準決勝で倉本を撃破した田野倉は、決勝で日体大の後輩となる太田と対決。投げ技を決めて先制し、後半は太田の猛攻をしのぎ切って勝利。直後にプレーオフを残しているというのに、息を切らせながらインタビュースペースに現れ、関係者に(プレーオフで勝ってからだと)教えられて、慌てて試合の準備に入るという一幕も。

 さらに、男子グレコローマンの優秀選手に選ばれたことで表彰式に臨まねばならず、試合に向けて集中できないのでは、との懸念も感じられる慌しさだった。しかし、そんなことで田野倉の勢いが止まることはなかった。

 プレーオフは、倉本よりも試合間隔が短く、体力回復の面では不利な立場だったものの、それをものともしない堂々の戦いぶりだった。「これで負けたら終わりだと思っていた。レスリング人生に悔いを残したくなかった」と言う田野倉は、ライバルをまったく寄せつけず、わずか70秒の速攻でテクニカルフォール勝ちを決めた。

 もともと55kg級の実力者だった。階級区分の変更によって59kg級へ。身長は158センチとこのクラスでも低く、周りからは「田野倉は終わりだ」と言われたという。昨年10月の長崎国体では、日体大の後輩の1年生、文田健一郎に足元をすくわれて1回戦敗退。「これではダメだ」と練習を追い込んだところ、翌月、オーバーワークで腰を痛めてしまった。

 練習に本格復帰できたのは3月末のこと。ここからは小柄な体を生かした下からの攻めと、けんか四つに構えて相手の前の手を取っての攻撃に磨きをかけた。けがの間に体づくりに励んだことも功を奏し、完全復活とも言える優勝を遂げた。

 世界選手権には2013年に55kg級で出場したが、上位進出はならなかった。2年前に悔しい思いをしている田野倉は「ラスベガスでは必ずメダルを獲って、日本で最初にオリンピック出場を決めます」と必勝宣言。逆転で世界選手権のキップをつかんだ勢いそのままに、リオデジャネイロ・オリンピックまで一気に突っ走る。


 







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