日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2015.06.27

【全日本選抜選手権・特集】2階級アップの壁を乗り越え、日本代表を射程距離へ…女子63kg級・川井梨紗子(至学館大)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 どうしてもリオデジャネイロ・オリンピックに出たい! 全日本選抜選手権の女子63kg級は、昨年12月の全日本選手権58kg級2位の川井梨紗子(至学館大)が2階級アップを乗り越えて優勝した。準決勝で、昨年のアジア選手権優勝で全日本選手権でも勝った伊藤友莉香(自衛隊)を6-4で撃破し、決勝は昨年のアジア大会(韓国・仁川)金メダリストの渡利璃穏(アイシン・エイ・ダブリュ)を2-1で破っての栄冠だった。

 川井は2012年に17歳で世界女子選手権(カナダ)51kg級に出場。学生王者の父と世界選手権出場の母の間に生まれる血筋のよさもあって、早くから若手のホープとして期待されていた。55kg級へ上げたあと、女子のオリンピック階級が6階級となった段階で58kg級を主戦場としていた。

 だが、日本の絶対的なエース、伊調馨(ALSOK)も63kg級から階級変更し、相変わらずの女王ぶりを見せつけていた。2004年アテネ・オリンピックから正式種目になった女子は、過去3大会で7個の金メダル、計11個のメダルを獲得しているが、出場した選手はわずかに5人。吉田沙保里(ALSOK)や伊調などが“長期政権”を築いている。

 2階級増えて6階級になったことで、多くの選手がチャンスとばかりに絶対女王がいない階級に変更する傾向が見られた。それでも、川井は「馨さんに勝てるのは私しかいない」と女王に挑み続けていた。

 昨年の全日本選手権で伊調に敗れた時、至学館大の栄和人監督から「63kg級でオリンピックを狙ったらどうだ」と提案されたという。川井は「最初は『嫌です』と言いましたけど、家族やいろんな人にたくさん相談して、泣いて…。最終的に申し込むギリギリまで悩んだ」と振り返る。

 「馨さんに挑戦できないことは悔しいけど、オリンピックに出ることも目標。リオデジャネイロは63kg級で挑戦する」と意を決し、特に増量もせず、普段の体重60kg程度で63kg級に出場した。

 「2階級上の選手はやはり重たかった」と苦笑したが、潜在能力は若手でトップクラス。得意の組み手で上の階級の選手たちを翻ろうし、63kg級の有力選手を次々と倒した。全日本1位の選手を破り、アジア大会金メダルの選手をも倒し、内容でも十分にアピールはできた結果だった。

 試合後は、「(世界選手権に)選ばれたらいいな。アピールはできたと思う。今は階級を変えてよかったと思っている」と笑顔。代表に選出されれば3年ぶり2度目の世界選手権になる。「51kg級の時は後悔しか残らなかった。今年、もし出たら優勝してオリンピックを決めたい」と、その目にはもう階級への迷いはなくなっていた。


 







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に