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2015.07.09

【特集】阪神酒販の田中幸太郎、北村公平両選手が大会協賛事業に携わる…阪神酒販杯わくわくワセダカップ

(文・撮影=増渕由気子)

 1996年アトランタ・オリンピック銅メダリストの太田拓弥氏(早大コーチ)が主宰するダウン症児者と自閉症児者のレスリング交流大会として、7回目を迎えた「わくわくワセダカップ」。今回から阪神酒販が正式に協賛企業として参加し、「阪神酒販アスリートクラブ杯」と冠をつけて飲料を提供し、メダルやトロフィーの費用を負担するなど、全面的なバックアップのもと行われた。

 企業協賛の企画から運営まで1年かけて準備してきたのは、現役トップレスラーの田中幸太郎選手(男子フリースタイル65kg級)と北村公平選手(同74kg級)。ともに京都・京都八幡高~早大~阪神酒販アスリートクラブと歩み、選手活動をメーンに活動しているバリバリの現役選手だ。

 田中、北村ともに高校時代は三冠王者(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)で、大学では大学王者や学生王者となり、若手のホープとして名を挙げた。日本オリンピック委員会(JOC)が行う選手の就職斡旋制度「アスナビ」(下記参照)を使って阪神酒販に入社。「社会人としての力もつけたい」という希望で、レスリング活動をメーンとしながら、レスリングだけではなく、週に2日、スーツ姿で会社の仕事もこなす生活を送っている。
■アスリートならではの仕事で会社に貢献

 北村選手は「僕らの仕事は営業です。いろいろなメーカーのドリンクをオフィスに置いてもらう『オフィスオアシス』というサービスの仕事をしています。お客さまのフォローもしますし、新規開拓の営業もします」。田中選手は入社3年目。北村選手は2年目と、スーツ姿も板についてきた。

 2人にとって最も企業に貢献することは、「阪神酒販」のロゴが入ったシングレットを身に着け、アスリートとして活躍することかもしれない。けれども田中、北村両選手は「私たちは、アスリートとしての一面と社会人としての一面をそれぞれ持ち合わせています。アスリートならではの仕事を作り出せるはず」と、通常の業務上で社の利益や知名度を上げることに貢献したい気持ちをきっぱり話す。

 競技と仕事、ともに全力で取り組んできたが、社内では「競技だけをやっている」という偏見を感じることもあった。田中選手は「僕らの立場を生かして、僕らの地位を確立していかないといけない」と、自分たちでできることを考えた結果が、同大会への協賛だった。

■田中幸太郎、北村公平の“強力タッグ”で実現

 阪神酒販所属のアスリート選手は、自社で販売している飲料などを無料で提供受けている。「その支援物の一部をわくわくクラブにも提供できないかな、と考えたことがきっかけです。昨年の同大会直前に上司に相談してみたら、事業部の商品を快く提供してもらえました」。

 阪神酒販が「アスナビ」でトップアスリートを採用しているのは、そのアスリートを通じて何らかの活動をしたい、という意向があったから。田中選手らがワクワククラブへの商品提供をしたことをきっかけに、上司から「継続的に支援したほうがいい。物資だけなく多方面からサポートするため活動の予算を計上しよう」と提案があり、本格的な支援の道が開けたそうだ。

 大会協賛の企画書を練り上げ、予算を獲得して今大会の準備にこぎつけた。北村選手は「プレスリリースなど初めてのことばかり。大変なこともありました」と苦笑するが、何とか乗り切れたのは、お互いの存在だったことは言うまでもない。「1人だったら、たぶんできなかった。2人で手が空いた方が企画を進めるというスタンスで協力し合ったからできた」と振り返った。

■今後もトップアスリートの視点でしかできない企画を提案

 2人にはさらなる目標がある。田中選手は「弊社のグループ会社である九州乳業が大分にあり、広大な広場や体育館を地元住民に開放しているのです。レスリング、陸上、球技、いろいろな競技を盛り込んで、親子そろって参加できるスポーツイベントを開催してみたい」。今後もトップアスリートの視点でしかできない企画をどんどん会社に提案していく予定だ。

 大会には、阪神酒販アスリートクラブ事務局長の梶川洋平さんも視察に訪れた。「予想以上にレベルの高いレスリングをしていて驚きました。会場の雰囲気もすごくよかったので、来年もしっかり支援できるように準備していきたいですね。保護者の反応がすごくよかった印象があったので、保護者向けの企画を考えてみたい」と来年へのサポート拡大に言及した。

 阪神酒販は外食事業も盛んで、有名なチェーン店も多数運営している。田中選手は「参加賞として、飲食店の割引チケットを進呈するなど、企画をどんどん考えていきたい」と前向きに話した。

 マットの中でも高速タックルで魅せるレスリングで定評がある田中、北村両選手。マット外でも体育会出身ならではの行動力で、社の中で新たなる風を吹かせてみせる―。

「アスナビ」=日本オリンピック委員会(JOC)が競技を続けたい希望を持つ選手と有力スポーツ選手の獲得の希望を目指す企業とをマッチングし、就職の支援をするシステム。男子グレコローマン98kg級の大坂昂選手もこの制度を使って三菱電機に入社している。


 







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