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2015.09.11

【世界選手権/第3日・特集】涙の世界16連覇…女子53kg級・吉田沙保里(ALSOK)

(文=池田安佑美、撮影=矢吹建夫)

 涙の世界16連覇達成だ! 世界選手権の女子53kg級は、“霊長類最強女子”吉田沙保里(ALSOK)が決勝でソフィア・マットソン(スウェーデン)を2-1で破り、世界選手権とオリンピック合わせて16度目の世界女王の座についた。

 決勝の相手は3年連続同じ相手。打倒吉田を掲げて研究をしてきたマットソンは、吉田が警戒していた通りだった。吉田は「強いと言うのは分かっていた。かなり研究されていて途中、負けるかと思った」と先に失点し、追う展開に。第2ピリオド、得意のタックルで2度、マットソンを場外に追いやって2-1としたが、終盤は相手の猛攻を凌ぎきっての辛勝だった。

 優勝し、国旗を掲げて笹山秀雄コーチに肩車してもらってマットを一周すると、緊張が解けたかのように、顔をくしゃくしゃにして涙のオンパレード。インタビュー中も涙ながらに振り返るなど、重圧を背負っての世界選手権だった。

 32歳――。吉田自身、年齢による体の変化を感じるときもあるのだろう。「若い子も強くなってきているし、負けたらどうしようって思う」と、最近は「年齢」について言及することが多くなった。

 だが、闘い続ける理由は「勝ち続けたい」という強い意志があるからだ。「練習はいっぱいやってきた」と、年齢の不安を練習量で自信に変えてきた。内容よりも結果。勝ち続けることで頭がいっぱいだった吉田は、決勝進出を決め、メダルを確定すると、それによってリオデジャネイロ・オリンピック代表がほぼ決まることすら、眼中になかった。

 「代表内定よりも、優勝しないとならない、と思った。負けたら、また大騒ぎになっちゃう。勝つために闘った」と、優勝だけを見つめてトーナメントを戦い抜いた。

 マットソンとは2-1と辛勝だったが、準決勝までは“吉田ワールド”が全開。初戦や2回戦では両足タックルが面白いように決まった。3回戦では7歳年下の欧州チャンピオンを11-0で跳ね除け、昨年3位で不気味な存在だった準決勝の相手、ヨン・ミョンスク(北朝鮮)には一度もリードを許さず、女王の貫録を見せつけた。

 5試合を勝ち抜いての優勝に今回、また新たな金字塔が加わった。個人戦200連勝という記録だ。「試合後に泣いたことは、今まで何回かありますけど、今回は本当に苦しかった。追われる立場はきつい。けど、その緊張感が楽しい」。若い選手を相手に勝つことだけに集中した結果で、新たな伝説を作り上げた。

 もちろん、ここがゴールではない。「来年のリオに向けて気持ちを入れ替えなければいけない」。吉田が4度目のオリンピック制覇へ最終章の一年が始まった。


 







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