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2015.10.14

タレント発掘・育成コンソーシアム事業報告(6)国内育成プログラム 第1回U-12世代育成キャンプ

JWF タレント発掘・育成コンソーシアム
清 水 聖 志 人


 2011年に制定した「スポーツ基本法」は、我が国におけるスポーツの施策策定および実施を国が責任を持って行うことを明確に示した。それを受けて2012年に策定された「スポーツ基本計画」に則り、文部科学省は新たな事業を実施している。その中の一つが、独立行政法人日本スポーツ振興センターより、本協会が受託しているタレント発掘・育成コンソーシアム事業である。

 本事業は、全国規模で有能なタレント・アスリートを継続的に見出し、最適な育成・強化を図る手法・仕組みを調査研究・開発し、これらの手法をもとに、地域タレントからメダルポテンシャルアスリートまで確実に引き上げるシステムの構築を目指している。

 レスリングのタレント発掘・育成コンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内及び海外育成プログラムによって育成を行う。

 2015年9月19日(土)~9月21日(月)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、第1回U-12世代育成キャンプを実施した。本キャンプは、U-12世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。また、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプでは日本レスリング界の将来を担うU-12世代の20名(男子10名/女子10名)が参加した。

 キャンプ初日には、アスリートアントラージュを対象としたプログラムを実施した。アントラージュとは、フランス語で「取り巻き」や「環境」という意味であり、アスリートアントラージュという場合、アスリートのコーチや保護者をはじめとする関係者が連携、協力することでアスリートに最適な環境を構築することを指す。

 アスリートアントラージュを形成するためには、タレントの保護者・コーチ等に対して、育成に関する方向性や情報を共有する機会が必要不可欠という観点から本プログラムを実施した。

 今回のアントラージュプログラムは、「2020東京オリンピックの向こう側 ― 未来に必要なインテリジェントレスラーの育成 ―」というテーマにて、2012年ロンドン五輪レスリング日本代表チームのテクニカルディレクターを務めた専修大学の久木留毅教授に展開いただき、U-12世代の関係者のみならず、U-15世代、カデット世代の保護者やコーチを、審判やトレーナー等、約25名が参加した。

 本事業は、高度レベルの競技活動を通して得た経験や知識を基に、日本のリーダーとなるアスリートの育成を目指すため、「教育プログラム」に注力しているのが特徴である。今回キャンプにおいては、「目標設定」「形態・フィットネスデータの活用」「技術展開」にフォーカスした3つの教育プログラムを展開した。

 また、女性アスリートの育成・支援プロジェクト(FALプロジェクト)の協力を得て、骨密度とヘモグロビン値の測定データを測定し、女性アスリートの三主徴(運動性無月経/利用可能エネルギー不足/骨粗鬆症)のスクリーニングを実施した。U-12世代の国内育成プログラムにて、女性アスリート支援のためのプログラムを実施したのは初めてであり、今後は、実態を踏まえ、教育プログラムや啓蒙に繋げることが肝要となる。

 マットトレーニングにおいては、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを行ったうえで、ポジション別の攻防やスパーリングを中心に展開した。

 また、国立スポーツ科学センターの協力により、ナショナルチームが行っている内容と同様の形態測定、フィットネス測定を実施し、キャンプ最終日に測定データのフィードバック及び、各世代のデータとの比較を基にフィットネスレベル向上に向けたカウンセリングを実施した。

 本事業は、日本レスリングが永続的にメダルを獲得するための発掘・育成システムの構築を目指すものであり、独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。

マット練習の様子

教育プログラム「目標設定と達成までのプロセス」:ロンドン五輪金メダリスト小原日登美さん

アントラージュプログラム:専修大学 久木留毅教授

フィットネス測定:リバウンドジャンプ

フィットネス測定:ロープ昇降

FALプロジェクトによるスクリーニング

FALプロジェクトによる骨密度測定

教育プログラム「形態 フィットネスデータの活用」:JISS 山下大地 研究員


 







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