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2015.12.29

【全日本選手権・特集】新日本プロレス魂でW優勝!…男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード)/男子グレコローマン71kg級・永田克彦(レッスルウィン)

(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)
 プロレスへ進んで23年が経つが、古巣への思いを忘れていない永田裕志(日体大~新日本プロレス)がらみの2選手が、そろって全日本王者へ輝いた。一人は、ブシロード・クラブの監督として育てている男子フリースタイル97㎏級の山口剛(ブシロード=新日本プロレスの親会社)。もう一人は、11年ぶりに復帰参戦し、42歳の最年長王者に輝いた男子グレコローマン71kg級の永田克彦(レッスルウィン=元新日本プロレス職員)。

 山口には「絶対にリオデジャネイロへ行ってもらう」と語気を強め、5歳下の弟の優勝には「総合格闘技をやったりしてレスリングからは10年くらい離れていたのに、グレコローマンの差し手は落ちていなかった。すごいものを見せてもらったなという気がします」と、驚きの声をあげた。

■6月に続いてロンドン代表を撃破…山口剛

山口は3試合を闘って失点なしという危なげない優勝で、V4を達成した。初戦(2回戦)は、奇しくも6月の全日本選抜選手権の時と同じく2012年ロンドン・オリンピック代表の磯川孝生(徳山大職)と当たる組み合せ。その時は5-4の1点差で辛勝した相手で、試練のスタートとなった。

 それでも山口は、9月の世界選手権(米国・ラスベガス)で、ラスト10秒で逆転したにもかかわらずポイントを奪い返されて逆転負けを喫した反省をいかすいい機会と前向きに受け止めた。

 「世界選手権まではパワーが大事と捉えていたけど、自分の長所を伸ばそうと思い、組み手とタックルの速さに磨きをかけました」

 今大会に向けて、あえて重量級の選手が苦手とするような練習にも取り組んだ。「足を細かく動かすラダートレーニング。その練習の成果は今回タックルの速さにつなげることができたんじゃないかと思います」

 こうした練習と気持ちが実って、初戦は3-0で山口に凱歌。試合後、磯川から「あとは頼む」と言われ、バトンを渡された気持ちになったという。決勝で当たった学生二冠王者の山本康稀(日大)も、心身ともに充実した山口の敵ではなく、6-0で快勝した。

 山口は、来年3月のオリンピック・アジア予選(カザフスタン)は、実力は紙一重だと予測。「これからはラスト1分、ラスト30秒で取りにいける練習をしていかないといけない」と気を引き締める。

■レスリング界の鉄人になるか…永田克彦

 重量級のリーダーとしての自覚を芽生えさせた優勝がある一方、永田は最年長王者の記録を更新し、強さと年齢とは無関係であることを証明した。11月の全国社会人オープン優勝の実績を持って11年ぶりに全日本選手権に臨んだ永田だったが、終わってみれば失点は2回戦の近藤雅貴(専大)戦のみ。

 決勝で0-7で敗れた倉野真之介(横浜市消防局)は「圧力のかけ方や、こちらがいこうとした時のいなし方がうまいなと思いました」と、年齢を感じさせないシドニー・オリンピック銀メダリストの実力に脱帽した。

 「グレコローマンも以前とはルールが違う」と水を向けると、永田は「正直、今のルールの方がやりやすい」と打ち明けた。「(2005年に変わったルールの)おかしいと思っていた部分もなくなっているし、持ち味である差し手をいかすこともできるので、自分のためのルールという気もしますね」と言う。

 今後については? 「体が続く限り、こういった国内の大会で試合をやるのもいいかなと思い始めています」。永田はレスリング界の鉄人になるのか。


 







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