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2016.08.18

【リオデジャネイロ特集】1年前の再現! 終了間際に執念の金メダル…女子48kg級・登坂絵莉(至学館大)

 【リオデジャネイロ/文=増渕由気子、撮影=保高幸子】沙保里さんと同じオリンピック金メダリストに! リオデジャネイロ・オリンピックの女子48kg級は、登坂絵莉(東新住建)が昨年の世界選手権決勝の相手、マリア・スタドニク(アゼルバイジャン)にラスト数秒で逆転し、日本女子4人目のオリンピック・チャンピオンの座を手に入れた。

 対戦カードに加え、試合内容もまるで1年前の世界選手権(ラスベガス)決勝の再放送を見ているようだった。第1ピリオド早々に失点し、その後も攻めあぐねて30秒のアクティブタイムに得点できずに1失点。0-2と点差は広まった。「タックル1本で逆転できる点差」だったが、この日のスタドニクは気合が違っていた。

 初出場の2008年北京大会は銅メダル。2度目のオリンピックとなった前回のロンドン大会では、日本の小原日登美に逆転負けで銀メダル。3度目の正直で今大会は、最低でも最高でも金メダルを掲げていたことだろう。登坂は「1個、1個(の動き)が強い。頭突きも来る。想定内だったし、負けてたまるかと思っていたんですけど、若干ひるむ部分もあった」と、スタドニクの気迫に押され気味だった。

 「去年の世界選手権と同じことはできない。今回は自分が先制して、後から相手が獲り返しにくるところをカウンターで追加点だ」という当初、思い描いていた作戦どおりにはいかず、今回も追いかける展開にへ。「正直、パニックになりました」と焦っていた。

■パニックとなった登坂に、栄和人強化本部長が的確なアドバイス

 そんな登坂を助けたのが、セコンドの栄和人強化本部長の存在だ。ハーフタイム時に的確なアドバイス。「パニックだったのが落ち着いた」と、気持ちをリセットして第2ピリオドへ。

 けれども、スタドニクの攻防は完ぺきで、突破口をつかめずに残り30秒。「本当に相手が強くて、『あ、やばい』と、このまま負けちゃうのかな、と思った」と、”負け”の2文字が頭をよぎった。

 登坂は至学館大の中でも特に練習の虫で知られている。しかも「練習ではなぜか弱い」(栄強化委員長)。悔し涙を流しながら練習する日もあり、それをばねに、また次の日練習する-。毎日の反復練習で培った勝負勘が、「最後どうやって入ったか覚えていない」と無意識に登坂の体を動かした。

 気がついたら、相手の片足をつかんでクラッチを組んでいて、「ここしかない」というチャンスに登坂は執念のテークダウンを決める。残り時間はわずか5秒だった。

 姉のように慕う吉田と同じ金メダルを首から下げ、「2、3年前から『一緒に獲れたらいいね』って言ってくれた」ことが夢が現実になり、満面の笑み。すでに世界を3度優勝している登坂だが、「オリンピックは世界選手権と全然違う。世界よりオリンピック・チャンピオンを目指してやってきた」と、初めてのオリンピックを制し、次の目標がはっきりと浮かんできた。

 「東京大会で連覇したいです。今回初めてオリンピックのすごさを知ったし、これが東京なら、もっとすごいと思う。そこは私が出たいと思いました」。

 姉のように慕う吉田は21歳で初優勝した。登坂も現在22歳と若手選手。リオデジャネイロで金、東京で金――。登坂のオリンピック連覇へのビクトリーロードが始まった。


 







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