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2016.11.21

【特集】娘は昨夏に全国優勝、次の目標は母娘での日本一! 増山志保さん(東京・高田道場)


(文・撮影=樋口郁夫)

 11月19~20日に東京・セントメリーズインターナショナルスクールで行われた全日本マスターズ連盟主催の講習会に、2人の女子選手が参加した。一人は自衛隊でレスリングをやり、今年10月の世界ベテランズ選手権(ポーランド)で日本女子初の世界チャンピオンに輝いた飯田瑞江さん(横須賀ジュニア)。来年の世界大会での連覇を目指しての参加だ。

 もう一人は、レスリングを始めてからキャリア4年。全日本マスターズ選手権での優勝を目標にする増山志保さん(38歳=東京・高田道場)だ。5年前、次女・天南ちゃんが同道場でレスリングを始め(現在小学4年生)、1年後、「どっちが先に日本一になるか競争しよう」としてレスリングを始めた。

 天南ちゃんは昨年7月の全国大会の女子3年生+33kg級で優勝し、志保さんは今年1月の全日本マスターズ選手権の30~45歳の部58kg級で2位に終わった。「娘に先を越されたんです」と残念そうだが、目標を「親子で日本一」に切り替え、来年の優勝を目指して実力養成中だ。

■格闘技とは無縁の人生から一転してレスリングの道へ

 スポーツ歴は陸上や剣道などで、格闘技の経験はなく、レスリングとの接点もなかった。天南ちゃんがテレビでレスリングを見て興味を示し、やり始めたことがレスリングとの出合い。近くにあった高田道場に見学に行き、そのまま入会。1年後に増山さんも続いた。

 高田道場の高田延彦代表は元プロレスラーで、東京ドームの大会でメーンを闘うなど有名な格闘家でもあった。しかし、現役時代のことは「まったく知りません。(総合格闘技イベントのプロデューサーとして)『出てこいや』と言う人、ということしか知らないんです」というから、格闘技とはまったく無縁の人生をおくっていたようだ。

 子どもに刺激されてお母さんもマットに上がる例は珍しくないが、練習相手としてはクラブの男性コーチやキッズ選手というのが普通ではないか。高田道場には女性の指導員として中京女大OGの岩見谷千恵コーチ(旧姓石井、卒業後プロレスラーへ=リングネームは「バンザイ千恵」=現在は引退、クリック)がいて、レスリングの基礎から教えてもらえる幸運に恵まれた。

 練習は1回約2時間を週2回程度。女子レスリングの基礎があるコーチからの指導がよかったのだろう、全日本マスターズ選手権には2014年から出場し、2位、3位、2位と好成績を挙げた。今年1月の大会は1999年世界女子選手権で2位となった清水真理子さん(群馬・富岡実高教)に「速攻で敗れました。悔しいというより…、仕方ないですね」と苦笑いした。

 それでも日本一への気持ちが萎えることはない。今回、ナショナルコーチの指導を受けたのも、チャンピオンへの気持ちがあればこそ。金銭的な問題もあるので簡単にはいかないが、世界ベテランズ選手権への参加も、「チャンスがあれば…」と否定はしなかった。

■名コーチのバンザイ千恵さんを失うことになるが…

 レスリングは「いろんなスポーツをやってきた中で、一番つらい」と言うが、「一番、面白いスポーツ」とも。「じん帯を伸ばしたとか、ろっ骨や鎖骨を痛めたり折ったりと、普通の主婦ならすることのないけがもしてきました」と笑う一方、「美容にもいいのではないでしょうか。皮膚は強くなりましたね」と、健康維持のためにも、しばらくはマットから離れるつもりはない。

 夫・康正さんはスポーツをやったことがなく、娘のみならず妻もレスリングをやることになって最初は驚いたそうだ。今は必ず試合会場に来てくれ、「けがすることなく頑張れ」と応援してくれるという。

 日本一を目指す増山さんにとって、来月、ちょっと残念なことに直面しなければならなくなった。岩見谷千恵コーチが高田道場を退職し、夫・智義さん(同じく高田道場インストラクター)とともに夫の故郷の秋田県へ引っ越すことになったという。「残念ですね。でも、もう一人、女性のインストラクターがいますし、キッズ選手相手に練習を続け、頑張っていきたいと思います」と言う。

 このマスタ―ズの講習会は、同じ境遇の女子選手と練習できる貴重な機会。今年は飯田さんと2人の参加だったが、マスターズ世代の女子選手の練習と交流の場としての発展も期待される。

 高田延彦代表の現役時代のことは知らないが、道場で見かけると、「オーラを感じますね」と言う。それは、自身の選手活動へ大きな刺激材料でもある。「親子での日本一」を目指し、来年1月、増山さんが全日本マスターズ選手権へ挑む。


 







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《オリンピック・レスリングNo.62》

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