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2017.04.04

【ジュニアクイーンズカップ・特集】熊野ゆづる、大学1年で圧巻の連覇「世界ジュニアでは圧勝で勝ち抜きたい」

(文=増渕由気子)

 同郷の伊調先輩のようになれますように——。ジュニアクイーンズカップ59kg級は、昨年王者の熊野ゆづる(日大)が、決勝戦で花井瑛絵(愛知・至学館高)を6−4で破って2連覇を達成した。

 高校ラストシーズンだった昨季は、ジュニアクイーンズカップ、JOC杯ジュニア、インターハイと同年代では無敵の存在。世界ジュニア選手権(フランス)でも例にもれず、初出場初優勝を遂げた。

 3月に東京・安部学院を卒業して日大に進学。「入学式はまだ」と初々しく話し、希望に燃えていると思われたが…。表情は少しさえなかった。「決勝は失点が多かった。(2月の)クリッパン国際大会で、バックに回られることが多くて、それを修正してきたのに、同じような失点を繰り返してしまった。ギリギリ勝てた試合で悔しいです。正直、去年のほうが嬉しかったです」と苦笑いを浮かべた。

 “世界ジュニア女王”の肩書を持つが、内容はワンチャンスを生かしたフォール勝ちなど負け試合と言える試合もいくつかあったという。「地力は世界ジュニア・チャンピオンとして不足している」と話し、精進して今年こそチャンピオンにふさわしい内容で優勝を目指す。

 来年までジュニアのカテゴリーだが、シニアの大会では58kg級にエントリーすることを決めている。「ここまできたら2020年東京オリンピックを目指してしっかりやっていきたい」-。

 58kg級と言えば、同じキッズクラブの先輩での伊調馨(ALSOK)がオリンピック4連覇を決めた階級だ。「伊調先輩のように強くなりたい」というあこがれは、もちろんある。昨年夏は、地元の青森でクラブの仲間らとオリンピックをテレビ観戦した。「最後の逆転劇がすごくて、最後まであきらめなければ、逆転できるチャンスがあるんだと分かりました」と感動とともに、大先輩からのメッセージももらったような気がした。

 世界ジュニア選手権で負け試合を最後はフォールなどで勝ち抜けたのは、リオデジャネイロ・オリンピックを観戦して最後まであきらめないようにと言い聞かせていたからだ。

 ただ、危ない試合はもうしたくない。「今年は悪いところ修正して、しっかりと2連覇したい」。世界ジュニア選手権まであと5ヶ月。ポスト伊調としての登竜門、世界ジュニアを圧倒的な強さで連覇達成なるか—。


 







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