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2017.05.26

【西日本学生春季リーグ戦・特集】近大が19年ぶりに決勝進出! 「優勝と同じ価値がある」と感無量の萩原理実監督


(文・撮影=増渕由気子)

 優勝に等しい歓喜の準優勝だ! 大波乱だった西日本学生春季リーグ戦は、初日に負けて優勝戦線から脱落したチームの巻き返しが素晴らしかった。19年ぶりの決勝進出を果たした近大も、初日に決勝常連の中京学院大を4-3で破る金星を挙げたが、立命館大に3-4で敗れて2連勝ならず。しかし、最終日初戦の日本文理大戦に7-0と完勝。

 この大勝により、Bグループを2勝1敗で並んだ3大学(近大、中京学院大、立命館大)の中から勝敗差でグループ1位を遂げた。決勝戦に進出するのは19年ぶりのこと。約20年前は西日本リーグ戦で優勝に名を連ねる強豪だったが、ここ最近は優勝から遠ざかっていた。

■全日本選抜王者の有元伸悟コーチからエネルギーをもらう

 決勝戦は実績ある選手がそろっている同志社大と対戦。3-3で勝負を託された7番手の125kg級の津山丈証が、序盤に相手をフォールの体勢に持ちこむチャンスを作って先制したが、最後は逆転されてしまった。チームスコア3-4で敗れたが、大いに盛り上がった。

 萩原理実監督は「去年の秋季リーグ戦では最下位争いで、二部リーグ落ちの危機だった。今回は出来すぎです。優勝できませんでしたが、私としては優勝に等しい2位です」と感無量の様子。二部リーグ落ちも経験するなどして、厳しい時代もあっただけに、ひしひしと喜びをかみしめていた。

 快進撃の理由は「有元伸悟コーチの影響が大きいですね」と、同大学出身の全日本選抜王者で現役を続けている有元の存在を挙げた。「私としては、オリンピックを目指して自分の練習をしっかりやってほしいのですが、コーチという責任感があるのでしょう。学生たちの練習をいつも気にしてやってくれています」と、優秀なコーチにより選手たちがレベルアップしたと分析した。

 同志社大に強豪が多く集まっている昨今だが、近大もここ数年、スカウトはうまくいっている。出身高校には三重・いなべ総合学園、京都・京都八幡、滋賀・栗東、岐阜・岐阜工などの強豪校が並ぶ。「いいコーチがいて、もともと素質のいい選手が入ってきている。それをコーチたちがしっかり育ててくれる」。

 有元コーチのほかに、長尾武沙士&明来士兄弟(ともに近大OBで西日本学生王者を経験)ら複数人のコーチたちによる強化サイクルが確立してきたことも飛躍の要因だ。

■素人監督だが研究は怠らず、高校とのパイプも構築

 チームを支える萩原監督は近大の監督になって約20年。人望は厚く、長尾武沙士コーチは「僕が近大に来て、今もここでコーチをしているのは萩原監督がいるからです」と断言する。

 そんな萩原監督だが「私ね、実はレスリング経験者ではなく、素人監督なんです」と打ち明けた。スポーツ歴は高校でバスケットボール部で、格闘技経験者でもない。また、中大出身で、近大OBでもない。縁があって近大の職員となり、前監督で現総監督の岡本邦彦氏から監督業を引き継いで今に至る。

 「ちょっとした縁で岡本前監督からコーチを誘われました。経験はなかったのですが、格闘技はもともと好きで興味がありまして、始めてみたのです」。学生と練習してレスリングを本格的に学び、今ではマスターズの常連選手でもある。

 昔は動画サイトなどがないため、海外からビデオを取り寄せて研究も怠らなかったという。その努力に反して成績は振るわない時期も。レスリングは素人で高校とのパイプもない。「試合に出る選手をそろえるので精いっぱい。時に大学からもらっている推薦枠が埋まらないこともあった」と、スカウトの苦労を振り返った。

■「『まぐれ』と言われないように、次回も優勝争いをしたい」…萩原監督

 けれども、萩原監督は辛いと思わなかった。「負けても、レスリングをやって学生と一緒にいることが楽しかったんです。学生はいつも一生懸命でしたから」。コツコツと指導に取り組み、自らマットにあがってレスリング関係者と交流を深めることで、徐々に高校とのつながりもでき、自然といい選手が集まって一部リーグで闘えるチームになっていた。

 「今回の準優勝で、学生の練習の成果は十分に出ました。私も達成感でいっぱいです。ありがとうと言いたい。今回が『まぐれ』と言われないように、次回も優勝争いをしたいですね」。

 「次は胴上げされたくないですか?」と問うと、最高の笑顔でうなずいてくれた萩原監督。来季も近大の快進撃に注目だ。


 







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