(文=増渕由気子、布施鋼治、渋谷淳、岡野希春)
■男子フリースタイル61kg級・樋口黎(日体大=世界選手権初出場狙うも中村に2連敗)「(中村選手は)昔から対戦してきている選手で、研究されていた。でも、自分も研究していたのだから、負けたのは自分の実力不足だと思います。相手はタックルを切るより返すことに徹底していた。1試合目は相手の試合の組み立てがよかった。(オリンピックは57kg級に出場したので)61kg級は体格が違う。手足の長い選手もいる。研究してやっていかないといけない。試合前に首を痛めていたが、それも実力のうち。銀メダリストというのは過去の話。過去の試合には執着しない。世界選手権に行けないのは自分に勝ち切る力がなかった。国内でひとつずつ勝って12月につなげていきたいです」
■男子フリースタイル61kg級・有元伸悟(近大職=昨年の覇者、学生王者の成國太志に敗れて上位進出ならず)「大きい技をかけようとしたら、軸がぶれてしまいました。相手の動きについていけなかった。タックルに入っても、得点につながる確率が低かったと思います。勝てなくはない試合でしたが、焦りから動きが大ざっぱになってしまいました。点差が広がった際に対応が出来るように反省材料にしたいと思います」
■男子フリースタイル61㎏級・成國大志(青山学院大=昨年王者を破りながら樋口黎に敗れる)「まだ差があった、というのが正直なところ。対策を練ってきたつもりだったんですが、それが効かなかった。さすがオリンピックで2位になるだけあると思いました。(序盤でどんどん点数をとられたことで)あんな簡単にとられる予定ではなかったので焦ってしまった。最初からもっと攻めていればよかったと思います。課題としては、組み手がシニアのレベルに追いついていない。組み手がダメだと、相手に動かされて先にばててしまいますから」
■男子フリースタイル70㎏級・多胡島伸佳(KATSURA group=昨年の覇者で世界5位も、決勝で藤波勇飛に敗れて準優勝)「今までで一番いい試合はできたと思います。これまでは(藤波相手に)何も出せないまま負けたけど、今回はある程度出せた。次につながると、肯定的にとらえたいと思います。(4月に)社会人になりましたが、今までと変わらず、ストレスなく練習できています。出る大会の数が減るので、時間をかけて技術と体力を磨くことができます。これからは社会人の強みを生かしていきたいと思います」
■男子フリースタイル70㎏級・中村百次郎(日体大=全日本王者、アジア選手権3位も、本戦、プレーオフともに藤波勇飛に敗れる)「大会の1週間前に左ひざの半月板とじん帯をけがしてしまい、自分なりに整えたつもりですけど、何か不足していました。横の動きになると不安定でした。けがをしたのは自分が悪いし、試合前から引き締めてやらないと、結果がついてこない。まずはけがをしっかり治したい。全日本選手権は去年勝っているので、しっかり準備して試合に臨みたいです」
■男子フリースタイル70㎏級・梅林太朗(早大=インターハイ2年連続王者、全日本王者の中村百次郎に敗れる)「全日本王者の中村選手は強かった。僕のレスリングは先制点をとってから組み立てるスタイル。今回も先制点をとるまでは良かったんですけど…。追う展開ではなく、しっかり自分がリードして余裕のある試合展開ができていたら、最後も追い込んで攻めなくてもよかったと思う。この大会に出るのは初めて。東京オリンピック代表は2年後のこの大会で最終決定するはず。2年後を見越して、それまでにしっかり勝てるようにしたい。手応えはつかみました」