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2018.11.20

【U-15アジア女子選手権・特集】初の国際大会で緊張した初戦、最後はスタミナの差で優勝…39㎏級・小幡未羽(兵庫・芦屋学園中)

(文=布施鋼治)

苦戦をしいられたが、最後はスタミナの差で勝った小幡未羽

 「これからもどんどん国際大会に出場したい。そうしたらもっと強くなれるような気がします」。埼玉・富士見市立市民総合体育館で開催されたU15アジア女子選手権の39㎏級で優勝した小幡未羽(兵庫・芦屋学園中)は顔をほころばせた。

 小幡にとっては今回が初の国際大会出場だった。外国人選手と闘った経験は、吉田沙保里杯で一度しかない。そのせいか、イッサリー・ヌートーン(タイ)との1回戦では緊張しすぎて足がほとんど動かなかったという。

 観客席から小幡の試合を見守っていた芦屋学園中の坂本涼子監督は「大丈夫かしら?」と心配になった。「タイの選手は正面から闘う力の強い子だったけど、向こうの流れに付き合ってしまい、小幡は自分のリズムを失いかけていました」。この階級でも身長の低い小幡は、対戦相手からがぶられやすい。相手にペースを握られていると、自ら頭を下げてしまうという悪いくせもある。「調子がいい時には横から攻めることができるんですけどね」(坂本監督)

 なんとかイッサリーを振り切った小幡だったが、ピンキー(インド)との決勝(リーグ5回戦)でも苦戦を強いられてしまう。第1ピリオド、得意のアンクルピックを中心に立て続けに6点を奪ったところまではよかったが、その後、相手のローリングなどを受けて6-5と1点差まで詰め寄られてしまった。

投げもできることに気がついてほしい…坂本涼子監督

 小幡には8-0と大量リードしているにもかかわらず逆転のフォール負けを喫した苦い思い出がある。その試合を思い出した坂本監督の脳裏には再び不安がよぎった。「このまま崩れてしまったら危ない」

代表チームの吉田栄利監督の声援を受けて闘う小幡未羽

 しかし第2ピリオドになると、小幡は自分より背の高いピンキーをがぶって動きを制してからバックに回り、ポイントを奪うなど点数を重ねていく。終わってみれば12-5。坂本監督は「第2ピリオドになってから気持ちをうまく切り換えてくれた」と愛弟子の成長に目を細めた。

 小幡自身は、勝利の分岐点はスタミナの差と振り返る。「第2ピリオドは(時間が経つにつれ)相手の息遣いが荒くなっていくのがわかりました」

 キッズレスリングの強豪の猪名川クラブから芦屋学園へ。小学生の時の小幡の試合を見た坂本監督は「守りは強いけど、攻めている印象があまりない」という記憶がある。「でも、中学に入るとルールが変わり、コーションが取られるようになる。そのことが分かってから、小幡も『攻めないとダメ』ということがわかったようです」

 試合前になると、小幡は「もう無理。負けるかもしれない」と不安を口にするタイプだった。1年ほど前から成績を残せるようになると、少しずつ自信が持てるようになった。「組み手もローリングもうまい。投げもうまいけど、本人にはまだ苦手意識がある。本当は投げもできることに気づいてほしい」(坂本コーチ)

 おかっぱ頭の似合う13歳。将来の目標を聞くと、少しだけ張りのある声で「オリンピックで金メダルを獲りたい」とつぶやいた。







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