2019年全日本選手権の男子フリースタイル86kg級に、東日本学生秋季選手権で優勝して出場資格を得た大山泰吾(慶大)が出場。慶大によると、同大学から男子で全日本選手権に出場するのは、1974年の江幡洋(フリースタイル90kg級=3位入賞)以来で、45年ぶりのことという。
結果は、初戦で国体3位の浅井翼(茨城県競技力向上対策本部)に第1ピリオド、0-10のテクニカルフォール負け。全日本の厚い壁にはね返された形となった。大山は「高校(神奈川・慶應高)からレスリングを始めましたが、高校では勉強優先だったので、大学では初心者レベルでした。そんな中から全日本選手権に出場できて、うれしい反面、全日本の壁は大きく、差を思い知らされました」と振り返った。
出場資格を得たのが11月末で、それからわずか3週間後の試合。気持ちのもって行き方も大変だったと思われるが、「出られるのが夢のようなことだったので、気は楽でした。何かできればいいな、と思って…。さほどの重圧もありませんでした」とのこと。
「何かできた? 収穫は?」との問いに、苦笑いを浮かべながら、「慶應は(東日本学生リーグ戦の)一部リーグの中で弱い大学なんですが、自分が出ることで、慶應でもやれる、ということを後輩に示せたんじゃないかなと思います」と言う。
来年3月に卒業するが、大学院に進学予定。道場に顔を出せる環境が続くので、選手生活は続行の予定。来年もその勇姿はあるか。