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2021.03.11

【特集】大学での練習が“全日本合宿”に匹敵! ハイレベルな闘いを勝ち抜き、アジア制覇を目指す…女子59kg級・花井瑛絵(至学館大)

 

花井瑛絵(至学館大)

 世界へ飛び立つ強豪女子選手が次々に生まれる至学館大。その中でも、中量級は他チームを寄せつけない層の厚さを誇っている。階級区分が変わった2017年以降の4度の全日本選手権で、57k・59kg級はすべて同大学の学生かOG選手が優勝。昨年はこの2階級の決勝が同門決戦だった。

 2019年は57kg級の1~3位の4選手が至学館大の学生選手。さかのぼれば、2014~16年の3年間の55・58・60kg級の3階級は、すべて同大学の学生・OG選手が制している(その時点で練習拠点を移していた伊調馨を含む)。

 “大学での練習が全日本チームでの練習”と言っても過言ではない。そんな状況で鍛え、勝ち抜いた選手なら、世界へ出てもメダル圏内に位置していることは間違いあるまい。熾烈な闘いに身を置き、昨年12月の全日本選手権59kg級を制したのが花井瑛絵(あきえ)だ。

「いつの間にか体が動いた」という逆転優勝

 2018年にU23世界選手権で銀メダルを取り、2019年には世界ジュニア選手権57kg級で優勝。シニアのワールドカップにも2度出場し、国際舞台での実績はあるが、日本一はこれが初めて。前年の57kg級2位の雪辱を果たす形での初優勝だ。

全日本選手権決勝、ラスト5秒に無意識で仕掛けたタックルで逆転勝ち=撮影・矢吹建夫

 決勝の相手は2018年のこの階級のチャンピオンの稲垣柚香。大学の後輩だが、2019年に世界選手権出場を果たしている選手で、実績は花井より上。リードされて試合が進んだあと、ラスト5秒に逆転する粘りの優勝だった。

 「負けるな、と思ってしまいましたが…。最後の逆転は記憶がないんです。いつの間にかタックルに入っていて、勝っていました」と振り返る。自然に体が動く、というレベルに達することができれば、それは一流選手の入口に達したと言える。

 「これまで、守りはできても、攻撃がなかなかできなかった。そこを乗り越えられた。(初戦で)苦手な左構えの相手にも勝てた。壁を破れた優勝でした」と全体を総括。コロナ禍でのブランクは、「けがが多かったので、しっかり治す期間になりました」とプラスに作用した。

いとこの伊藤彩香さんにあこがれ、レスリングを続ける

 レスリングは3歳のとき、三重・四日市ジュニアで始めた。兄(尊道=法大時代に全日本大学グレコローマン選手権2位)や姉、いとこで2013年世界選手権(ハンガリー)5位の伊藤彩香さんのみならず、他のいとこもレスリングをやっていて、自然の流れでマットに立っていた。だが、全国少年少女選手権は2年生の時に1度だけ優勝、中学の全国大会では上位に入ってもチャンピオンになることはなかった。

至学館大で川井梨紗子と練習する花井(左)。毎日が全日本合宿レベルの練習だ

 至学館高校へ進んでレスリングを続けたのは、伊藤彩香さんが全日本チャンピオンに輝き、アジア選手権や世界選手権に出場する姿が輝いていたからだ。あこがれ、そこを目指したが、現実の厳しさに直面する。至学館大との合同の練習はきつく、「やめたい」と思う毎日。吉田沙保里がリオデジャネイロ・オリンピックを目指していた時期だが、「弱すぎて、やってもらえなかったです」と笑う。

 1年生のときはこれといった成績はなく、2年生でもインターハイ2位が最高(決勝の相手は南條早映)。3年生のインターハイでやっと全国制覇を達成できた。JOC杯などでの優勝はなく、3年間で唯一の優勝がインターハイという選手も珍しい。小学校2年生から10年ぶりの全国優勝だった。

 このときは世界ジュニア選手権がほぼ同じ時期にあり、強豪選手は世界での闘いを取ってインターハイは不参加だった。「そういうプラス面があったと思います」と謙遜するが、この優勝によって大学に進んでも続ける気持ちになったというから、どんな形であっても「優勝」には選手にモチベーションを与える力があるのだろう。

一流メンバーで臨むアジア選手権、相乗効果で優勝を目指す

 この成績によって翌月トルクメニスタンであったアジア・インドア&マーシャルアーツ大会に抜擢を受けた(2年後に世界チャンピオンに輝くキルギスのアイスルー・チニベコワに4-4で敗れて3位)。12月には、ロシアでのワールドカップに出場予定だった南條早映が負傷で辞退し、代役として出場することになった。

2019年世界ジュニア選手権で優勝、会心の笑顔=提供・UWW

 インターハイ優勝を機に、すべてがいい方向に展開。至学館大に進み、アジア・ジュニア選手権優勝や1年生学生チャンピオンに輝き、U23世界選手権2位、世界ジュニア選手権優勝と続く。この間の2019年全日本選抜選手権では、5度目のオリンピック優勝を目指していた伊調馨と闘う機会もあった。

 「うまかったです。タックルは入れないし、取られてしまうし…」。それまでの全日本合宿でも練習したことがなかったので、オリンピック・チャンピオンと実戦の舞台で闘えたのは貴重な財産だった。

 こうしてたどりついた日本一。今の目標は4月にカザフスタンで行われるアジア選手権。オリンピック代表に内定した5選手も参加予定で、そうそうたるメンバーで臨む。優勝した2019年世界ジュニア選手権では、他大学を含めて同学年の選手が多く参加し、チームのムードがすごくよかったという。結果は10階級中8階級で優勝。チームの雰囲気や一致団結は、好成績を残すために必要な要素だ。

 今回は同期ではなく、実績十分の先輩に囲まれての遠征。日本を代表する選手たちの闘いに引っ張られての好成績が期待される。至学館大の栄和人監督は「(新年度の)副主将に選ばれ、チームをまとめるようになって、最近いっそう強くなっている」と、自覚が成長につながっていると分析する。シニア初の国際大会優勝、そして秋の世界選手権へ向けて気持ちは盛り上がっている。







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