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2021.11.18

【2021年全日本大学選手権・特集】グレコローマンだけじゃない! フリースタイルの激戦区で堂々の準優勝…57kg級・塩谷優(拓大)

 

(文=谷山美海/撮影=保高幸子)

フリースタイルに挑み、2位の成績を残した塩谷優(拓大)

 「グレコローマンしか(試合を)やっていないからフリースタイルでは闘えない、ということはないと分かって、よかったです」。

 今年4月のアジア選手権(カザフスタン)で男子グレコローマン55kg級を制し、両スタイルを通じた日本最年少アジア王者に輝いた塩谷優(拓大)が、大学入学後初となるフリースタイルの大会で準優勝を飾った。

 アジア選手権での活躍もあり、グレコローマンのイメージが強いが、高校2年次の2018年インターハイ(フリースタイル)では51kg級で優勝を果たしている。「部の方針というわけではありませんが、やらない理由もないかなって。本職でなくても自分のレベルアップになると思って(今大会は)挑戦を決めました」。

 部内戦では、10月の全日本学生選手権でフリースタイル57kg級3位の好成績を収めた一学年上の山根典哲と対決。見事勝利し、最軽量級の代表の座を手にした。

フリースタイルでの経験を糧に、次のステップへ

 弓矢暖人(日体大)との決勝戦は5-6で敗れたものの、マット際でのスタンドの攻防では、押し負けない塩谷の強固なディフェンスに会場がどよめく場面も。「あそこは頑張りました(笑)。ディフェンスの状態だったのであまり偉そうなことは言えませんが、試合を通して自分の中では良い動きができて、反省もあって実が詰まったような試合でした」。

グレコローマンとは違う闘いに、多少の戸惑いはあったが…

 全試合でセコンドを務めた、2021年東京オリンピックの男子フリースタイル86kg級代表の高谷惣亮選手(ALSOK)は、「フリースタイル57kg級は日本でもお家芸と言われているレベルの高い階級。そこで勝ち抜くのはすごいこと、良いものを見られましたね」と塩谷の活躍ぶりを絶賛。

 同時に決勝で弓矢にかけられた一本背負いを例に挙げ、精神面、技術面での改善点を指摘。「彼もオリンピックを目指していると思うので、そこの油断やミスは駄目だよ、と。これもいい教訓となり、次へのステップになるのではないかなと思います」と、これから世界を主戦場としていく後輩のさらなる成長に期待を寄せた。

世界選手権出場は逃すも「実りのある期間だった」

 今年5月に行われた全日本選抜選手権は、エントリーミスで不参加。世界選手権(ノルウェー・オスロ)への出場を逃した。アジア王者不在の男子グレコローマン55㎏級では、松井謙(日体大)が番狂わせの優勝。アジア選手権での塩谷の活躍に続くように、同スタイルの最年少世界王者の記録を塗り替えた。

2018年にはフリースタイルで全国一に輝いている塩谷=8月・インターハイ

 「自分が出場したら世界王者になれたのに、という思いも?」との問いには、「それもちょっと考えたんですけど…」と素直な気持ちを口にしながらも、「出られなかったのは自分のミス。国内は国内で試合があるので、そこに向けて頑張っていけばいいと切り替えました。(全日本学生選手権に)60kg級で出たのもすごく良い経験になったし、もちろん今回も。実りのある期間だったと思います」と国内大会での経験を前向きに捉えている。

 アジアを制したものの、全日本では優勝経験のない塩谷。12月の全日本選手権には挑戦者として臨む。「今度こそ優勝して海外の試合に出られるように。フリースタイルでの経験も何か活かせたらいいかな(笑)」。

 アジア王者として、本職のグレコローマンで必ずや日本一の称号を手にしてみせる―。







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