日本レスリング協会公式サイト
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2022.06.27

【重要・ルール確認】デンジャーポジション/尻もちをついた時のポイントの定義

 

監修=(公財)日本レスリング協会審判委員長・斎藤修


 2022年明治杯全日本選抜選手権で、大激戦となった女子62kg級決勝。1-2とリードされた川井友香子選手(赤)が、ラスト1秒、尾﨑野乃香選手(青)にがぶり返しを仕掛けたシーンで、「尾﨑の肩が返っていた(2失点)のではないか」との声があり、本協会SNS担当のカメラマンの撮影した写真にも、そのシーンが写っていました。

▲川井友香子選手(赤)がラスト1秒に仕掛けたがぶり返し(撮影=伊藤キコ)

 「チャレンジ」が出され、審判団のビデオチェックと協議の結果。「ノーデンジャー、ノーコントロール」で、尾﨑選手に失点はない、との結論が出ました。写真を見る限り、尾﨑選手の肩はマットに向いているようです。しかし、ビデオ撮影の死角に隠れていたわけではなく、ルール上の解釈に間違いはありません。ポイントを失うかどうかは、肩がマットに向いているかどうかではありません

 「ニアフォール」を意味する「デンジャーポジション」の定義は、「選手の背中のライン(両肩を結ぶライン)がマットに対して垂直または平行で、マットに対して90度未満の角度を形成し、『フォール』を避けるために上半身で抵抗している状態」です。

 さらに、下記の項目があります。
・防御の選手がフォールされるのを避けようとブリッジポジションにある場合。
・防御の選手が、背中をマットに向けているものの、片肘あるいは両方肘で体勢を支えて両肩をフォールされないように頑張っている場合
・防御の選手が、一方の肩をマットに既につけており、同時にもう片方の肩が90度垂直線を超えている場合(90度未満)
・防御の選手が両肩でローリングをしている場合

 今回のアクションの場合、尾﨑選手の肩はマットに向いているようですが、「『フォール』を避けるために上半身で抵抗している状態」ではありません。下記のネット配信動画では、尾﨑選手の片肘がマットについているシーンが映っていますが、「体勢を支えて両肩をフォールされないように頑張っている」には該当しません。

 川井選手が押さえてブリッジの体勢に追い込んだシーンはなく、尾﨑選手の肩が瞬時マットに向いていたとしても、川井選手にポイントは入りません。肩がマットに向いたかどうかではなく、攻める選手が相手を押さえ込んだか、守る選手がフォールをこらえているか、が判断基準となります。


 女子57kg級決勝の櫻井つぐみ選手(赤)と南條早映選手(青)の終了間際には、尻もちをついたときのテークダウンで微妙なシーンがありました。2点となるテークダウンは「3点接触(両手・両膝・頭の5点のうち)させた場合」という規定があります(尻もちをつかせた場合は、お尻が両ひざの2点に該当)。

 1枚目の写真(ラスト0.17秒)は、南條選手の肩がマットに向いていないのでデンジャーポジションとはならず、お尻と右手の3点がマットに着いていても0点です。2枚目(ラスト0.01秒)から3枚目(終了時)のシーンで肩がマットに向いており、かつ右手がマットについています。終了0.01秒前から終了の間にデンジャーポジションを取った、との判断により、櫻井選手のテークダウンが認められます。

 タックルを受けて尻もちをつき、相手を抱えてこらえている選手の肩がマットに向いても、攻める選手に押さえこむアクションがなければ失点にはなりません。肩がマットに向いたかどうかがポイントの判断基準ではありません。

▲櫻井つぐみ選手(赤)と南條早映選手の終了直前の攻防(ラスト0.17秒)

▲ラスト0.01秒

▲終了時点


 ポイントはルールブックの条文によって規定されています。選手および指導者は必読ください。日本協会審判委員会では、「2022国際レスリングルール」を発行しました。







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