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2022.06.27

【2022年明治杯全日本選抜選手権・特集】新鋭には負けない! 天皇杯覇者に残り2秒で大逆転…女子72kg級・古市雅子(自衛隊)

 

(文=粟野仁雄)

 “留守中”に彗星のように現れた10代の全日本チャンピオンの夢を、執念と貫禄でつぶした。

決勝で辛勝したあと、プレーオフも制して安堵の表情を浮かべた古市雅子(自衛隊)=撮影・矢吹建夫

 女子72kg級の世界チャンピオン、古市雅子(自衛隊)が全日本選抜選手権・決勝で当たったのが、全日本選手権の覇者・新倉すみれ(神奈川大)。新倉は高校(東京・安部学院高)までは無冠だったが、神奈川大に入った昨年、学生チャンピオンへ。全日本選手権は古市が68kg級に変え、その空いた座を奪い取った。

 今大会で72kg級に戻した古市は、負ければ世界切符を失う上、ここで若い芽をつんでおかないと、今後、勢いにのみ込まれかねない。満を持してマットに立った。

 決勝の第1ピリオドは4-2でリードしたが、第2ピリオド開始30秒、立ち姿勢で新倉に後ろから抱えられて投げられ、一挙に4点取られて4-6へ。その後、古市が新倉を場外へ押し出しながらバックを取り6-6としたが、このままではビッグポイントの差で古市が負ける。

4世代の世界チャンピオンも、オリンピックには無縁!

 残り2秒、古市が低い姿勢から新倉を押し込み、場外へもつれた瞬間に試合終了。電光掲示板は6-6のまま新倉の勝ち。古市セコンドからチャレンジが要求されたが、すぐに7-6に変わり、今度は新倉サイドのチャレンジ。協議の結果、古市のポイント2点が認められ、相手のチャレンジ失敗の1点が加わって9-6で勝利した。

劣勢だった決勝、古市がラスト2秒で仕掛け、逆転勝ち=撮影・矢吹建夫

 約1時間後に実施されたプレーオフは、一転して組み合ったままの静かな試合に。古市は新倉の消極姿勢で1点をもらい、第2ピリオドも1点を加点。新倉は残り30秒必死にタックルなどを仕掛けるが、古市が冷静に潰して終了のホイッスル。2点を守り切ってベオグラード行きを決めた。

 執念の勝利を見せた古市は熊本県出身で、JOCエリートアカデミーにスカウトされ、東京・安部学院高~日大に通った。ジュニア、カデット、U23、そして昨年のシニアと、世界選手権の優勝を重ねたが、オリンピックには無縁。75・76kg級では東京大会の代表だった皆川博恵(旧姓鈴木)、69・68kg級では2016年リオデジャネイロ大会の金メダリスト、土性沙羅らの陰に隠れてしまった。

ベオグラードで、パリ・オリンピック出場をアピールする!

 そうこうするうちに25歳。「今度こそ自分の時代に」。仕切り直した矢先の思わぬ伏兵が新倉だった。多くの記者が53kg級で優勝した藤波朱理(日体大)を追いかけ、閑散としてしまった会見では「意地というわけではなかったんですけど、絶対勝ちたかった。決勝で少し疲れていたので無理せずチャンスを見てポイントにしようと思った」と振り返ったが、この日のハイライトは、やはり大逆転した決勝だ。

上気するわけでもなく、冷静に試合を振り返った古市=筆者撮影

 筆者が「土壇場で負けていた時、どうしようと思っていたのですか?」と聞くと、「正直、焦った。しっかり組めていたので前に出ようと思った」などと話した。チャレンジの結果を待っていたときの思いについては、「チャレンジになってしまうポイントだったので、どっちになっても仕方がないと思って待っていた」と話した。

 ベテランだからなのか、性格なのか、大きな勝利に上気した様子もない。「世界選手権が終わったら68kg級に戻すと思いますけど、しっかり調整したい。」などと淡々と語った。

 常にトップ級に君臨し、階級を変えながら試行錯誤してきたが、オリンピックだけは縁がなかった古市。パリ・オリンピックに向けて、ベオグラードで大きくアピールしたい。







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