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2022.08.20

U20世界選手権(ブルガリア)出場の男子フリースタイル・チームが帰国

 

 ブルガリア・ソフィアで行われているU20世界選手権に出場した男子フリースタイル。チームが8月19日、羽田空港に帰国した。

 「金1・銀1・銅1」を獲得し、3大会連続でチャンピオンを輩出しての凱旋。この年齢区分(18~20歳)の世界大会では、初めて高校生での優勝を成し遂げた61kg級の西内悠人(高知・高知南)は「高校生初とか、3大会連続とかを知って、やっと『優勝した』という実感が湧いてきました」と言う。

男子高校生として初めてU20世界の金メダルを持ち帰った西内悠人(高知・高知南)

 「優勝を目指す」というより、「自分の力がどこまで通用するか」を考えて臨んだ大会だった。インターハイ前にあばらを痛めており、それも癒えていなかったのでコンディションは万全ではなかった。それらが、「背負うものは何もない、ポジティブな気持ちになれたことがよかった」と振り返る。

 決勝はイラン選手相手に第1ピリオドを0-3とリードされたが、「4点以内の差なら逆転できると思っていた。後半勝負になると思っていたので焦りはなかった」そうだ。後半、予想通り相手も息が荒くなっており、片足タックルで1点を取ったとき、「これはいける」という気持ちになって自分の流れをつくれた。

 「理想は先行逃げ切りでは?」という問いに、「逃げることはしません」とぴしゃり。「逆転であろうが、圧倒的に勝とうが、最後まで攻めるのが自分のレスリングです」と言い切り、その闘いができたことを強調した。

 2019年に、奇しくもソフィアの同じ会場で行われた世界カデット選手権49kg級で銅メダルを取った。表彰式のとき、優勝した選手に贈られたチャンピオンベルトを見て、「同じ表彰台でも1位と3位は景色が全然違うんだろうな、と思った」と言う。同じ会場で、今度は一番上に立ってベルトを手にでき、「うれしいですね」と話した。

 次の目標は10月の栃木国体。須田宝(佐賀・鳥栖工=全国高校選抜で敗れ、インターハイでリベンジ)に「もう一度度勝って全日本選手権へ向かいたい」と言う。全日本選手権でも、「優勝を目指すというより、自分の力がどこまで通じるか、やってきたことをどこまで発揮できるか、に重点をおいて、攻めの姿勢を試したい」と期待に胸をふくらませた。

日本の実力は、団体で世界3位以内を目指せる!

 イスタンブールからの飛行機が2時間以上遅れ、羽田空港のゲートを出てきたのは午後10時半を回っていたが、コーチの表情はともに明るかった。小平清貴コーチ(警視庁)は「金メダルという目標は達成できた。軽量級で3つのメダルは、とりあえずの成果は出せたと思っている。(コロナで)試合間隔が空いていたけど、どの選手も国際経験が少ないにもかかわらず、自分のレスリングを貫いていたと思う。ちょっと展開を変えれば、もっと上に行けた選手もいた」と振り返った。

メダル獲得の選手。左から青柳善の輔、西内悠人、神谷龍之介

 国別対抗得点ではイランが優勝し、インドが3位。ウズベキスタンも優勝選手を輩出するなど、アジアの強さを感じた大会だった。躍進が注目されたインドは、西内と74kg級で銀メダルを取った神谷龍之介(三重・いなべ総合学園高)が勝っており、「この世代では、日本の方が上だと思う」と話し、日本の実力はアジアの強国の一角を占めていると見ている。

 湯元進一コーチ(自衛隊)は「金メダルをあと2、3個は取れた内容でした。技術的には外国に負けていない」ときっぱり。足りないのは体力であり、経験だという。外国チームが日本に対して、畏敬の気持ちを持っていて闘うのを嫌がっているムードを感じたそうだ。

 コロナで2選手が参加できなくなり、その影響もあって国別対抗得点は7位に終わったが、そうでなければ「3位を目指せる力はある」と話し、来年の課題とした。


 ■74kg級銀メダル・神谷龍之介(三重・いなべ総合学園高)「この状況で海外遠征に行かせてもらったことと、ふだん支えていただいている先生、家族、チームメートに感謝の気持ちを伝えたい。優勝を目指していたので、銀メダルは悔しいですが、準決勝までは自分のレスリングができたと思います。

 決勝は、ひとつミスしてしまい、そこをやられてしまった。ミスを見逃さない強さを感じた。インターハイで優勝して自信がつき、勢いをもって臨めたと思う。次は国体で優勝し、全日本選手権で入賞を目指したい」

 ■65kg級銅メダル・青柳善の輔(山梨学院大)「3位でしたけど、ほっとしています。(2019年の)世界カデット選手権も3位でしたけど、3位決定戦は不戦勝。今回も3位は楽に取れると思っていたんです。でも、ぎりぎりの勝利。『銅メダルを取れてよかった』と実感できる厳しい試合でした。

 負けたウズベキスタン選手は、U20アジア選手権で細川周選手(京都・丹後緑風高)が勝っている相手なんですけど、苦手なタイプ。開始4秒で4点を取られました。初めての経験で焦ってしまい、流れをもっていかれて、頭が真っ白で試合をしていました。国体では、インカレで優勝した清岡選手(幸大郎=日体大)や諏訪間新之亮選手(国士舘大)のような強豪が出てくるでしょう。彼らに負けないだけの実績を残せたので、頑張りたい」







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