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2022.10.18

【展望】U23世界で主力を欠く日体大、それでも優勝候補筆頭…10.19~20全日本大学グレコローマン選手権

 

 2022年文部科学大臣杯全日本大学グレコローマン選手権は、10月19日(水)~20日(木)に東京・駒沢体育館で行われる。同時期にU23世界選手権がスペインで行われ、学生王者が不在の階級もあるが、その分、2番手以下の選手にとってチャンスとなり、熱い闘いが予想される。

 各大学ともオリンピック実施の6階級のほか、非オリンピック階級から2階級を選び、最大8階級に出場。大学対抗得点はその得点の多寡で競われる。昨年は日体大が5階級を制し、2位・拓大に19点差をつけ、2年ぶり20度目の優勝を遂げた。

▲昨年、5階級を制して大学対抗得点優勝を遂げた日体大。“飛車角落ち”を余儀なくされる今年は、どうか=撮影・保高幸子

 各階級と大学対抗得点の見どころをさぐった。(正エントリー選手に基づいた予想であり、選手交代、直前の負傷等による戦力ダウンは勘案しておりません)

《大学対抗得点のポイント》優勝=12点、2位=9点、3位=6点、5位=3.5点、7位=2点、8位=1点)


大会日程

10月19日(水)10:00~ 各階級1回戦~準決勝
  20日(木)10:00~ 敗者復活戦、3位決定戦、決勝


大学対抗得点

 2年連続優勝を目指す日体大は、U23世界選手権に4人の選手を送る(55kg級・松井謙、67kg級・曽我部京太郎、77kg級・日下尚、82kg級・樋口徹心)。優勝を目指せる選手が不出場となるのは痛いが、それでも団体優勝を狙える戦力はそろっている。

 優勝の可能性を高く持つのが、63kg級でU20世界選手権3位の丸山千恵蔵、67kg級で全日本学生選手権2位の堤滋樹、72kg級で学生王者の春日井湧雅、77kg級で全日本学生選手権2位の山田脩。この4階級で最低でも42点(12点×3、6点×1)はマークしたいところ。

▲日体大で唯一、学生二冠王者を目指す春日井湧雅(72kg級)=撮影・保高幸子

 60kg級に出場する全日本学生選手権2位の大河原蔵之介は、55kg級世界3位の塩谷優(拓大)を破れるかどうかがカギ。本来より上の階級の97kg級に挑む宮本海渡、130kg級で学生&国体王者の奥村総太(拓大)の打倒を目指す小畑詩音、87kg級でフリースタイル中心の髙橋夢大が、どこまで優勝に近づけるか。どの階級も最低で3位に入るとして24点(6点×4)を加え、66点以上を目指せる可能性を持つ。

 勝負の世界では避けられない取りこぼしがあっても、60点は確保できるのではないか。他大学は、日体大の選手を破ることで、同大学の総合得点を下げ、60点超えが目標となろう。

 昨年2位だった拓大は、塩谷優が60kg級でどこまでできるか。ライバルの松井謙が全日本学生選手権60kg級を制したことを考えれば、この階級での優勝も十分にありうる。130kg級の奥村総太は、全日本学生選手権に続いて国体でも優勝し、安定した力をつけている。この2階級は確実に優勝を勝ち取りたい(12点×2=24点)

▲全日本学生選手権に続いて国体も制した奥村総太(130kg級)。安定感を増した=撮影・保高幸子

 63kg級の萩原大和、67kg級・三多見明、77kg級の水口竣介、87kg級の三浦哲史、97kg級の山本純大が最低でも3位に入り、そのうちの一人でも優勝すれば36点(12点×1、6点×4)となり、合計60点となる。

 一昨年、3階級を制して大学対抗得点優勝を達成した山梨学院大は、フリースタイルを中心にやっている選手が多く出場する。2年前もフリースタイル中心の3選手が優勝しての団体優勝だった。スタイルを超えた強さで2年前の再現なるか。


各階級展望

 【55kg級】

 学生王者(山際航平=日体大)や全日本選抜王者(松井謙)は不出場。昨年の全日本学生選手権優勝の荒木端生(九州共立大)とJOCジュニアオリンピックU20優勝でU20世界選手権3位の尾西大河(早大)の争いとなるか。佐賀・鳥栖工高の先輩・後輩で、2021年全日本選抜選手権で対戦し、当時高校生だった尾西が勝っている。その後、学生王者に輝いている荒木のリベンジなるか。

 2021・22年に西日本学生新人選手権55・60kg級を連覇した二宮健斗(日本文理大)、昨年の全日本大学グレコローマン選手権3位の駒井大輝(近大)岡本景虎(専大)、昨年の東日本学生秋季選手権優勝の庄司秀(育英大)が優勝争いに加われるか。


 【60kg級】

 55kg級で世界選手権3位に輝いた塩谷優(拓大)がこの階級にエントリーした。60kg級では、2021年全日本学生選手権に出場して2位に入る実績を持つ。今度は優勝を手にできるか。

 学生王者(松井謙=日体大)はU23世界選手権に出場するので、同2位の大河原蔵之介(日体大)が受けて立つ形となる。新人戦での優勝はあるが、全日本学生・大学では2位が最高。60kg級でやってきた選手の意地を見せて王座を奪取できるか。

 全日本学生選手権3位の堤孔一(青山学院大)、昨年の全日本学生選手権で3位の曽根敬次郎(専大)松本健新(神奈川大)、JOCジュニアオリンピックU20優勝の五味虹登(育英大)、フリースタイルで学生王者の佐々木風雅(日大)、同国体王者の小野正之助(山梨学院大)が優勝戦線に浮上するか。

▲60kg級に出場する55kg級世界3位の塩谷優(拓大)


 【63kg級】

 学生王者(澤田幸明=拓大)は「副」でのエントリー。全日本選抜選手権2位の丸山千恵蔵(日体大)が優勝の最短距離にいると考えられる。U20世界選手権出場のため全日本学生選手権は不出場だったが、実績的には学生ナンバーワン。

 全日本学生選手権3位の萩原大和(拓大)、昨年の全日本大学グレコローマン選手権2位の三井潤(明大)、同3位で今年の西日本学生新人戦と西日本学生選手権優勝の吉永光輝(近大)が、その牙城を崩せるか。


 【67kg級】

 2年連続学生王者(曽我部京太郎=日体大)はU23世界選手権へ出場。今年の全日本学生選手権2位の堤滋樹(日体大)が、初の全日本の学生タイトルを目指す。72kg級で昨年の全日本大学グレコローマン選手権を制した西田衛人(専大)が階級を下げ、6月の東日本学生春季新人戦優勝と“試運転”を成功させた。この階級での栄冠獲得なるか。

 全日本学生選手権3位の太田楓輝(育英大)、昨年の全日本学生選手権2位の三多見明(拓大)、フリースタイル中心の選手だが昨年の全日本大学グレコローマン選手権3位の青柳善の輔(山梨学院大)らが、堤と西田の優勝争いを阻止できるか。


 【72kg級】

 全日本学生選手権で初の学生タイトルを手にした春日井湧雅(日体大)が、この大会も制することができるか。栃木国体では全日本社会人王者(成國大志)を破る実力を見せた。

 全日本学生選手権3位の石原三四郎(中大)、昨年の全日本大学グレコローマン選手権2位の稲葉洋人(青山学院大)、同3位の仲泊勇之介(東洋大)らが学生王者に挑む。


 【77kg級】

 全日本学生選手権のチャンピオン(日下尚=日体大)はU23世界選手権出場。同2位の山田脩(日体大)が優勝候補の筆頭か。同選手権の準決勝で山田に敗れて3位だった水口竣介(拓大)がリベンジして優勝を引き寄せられるか。

 JOCジュニアオリンピックU20 2位の茂野吏玖(国士舘大)、東日本学生春季選手権優勝の今井仁聖(神奈川大)、同2位の栃倉健人(日大)、東日本学生春季新人戦2位の山路健心(早大)、西日本学生選手権2連覇の掛水力(日本文理大)らにとっても台頭の好機と言えよう。

▲大学王者を目指す全日本学生選手権2位の山田脩(日体大)=撮影・保高幸子


 【82kg級】

 全日本学生選手権の1位(樋口徹心=日体大、U23世界選手権出場)、2位(玉岡颯斗=早大、87kg級に出場)が不在。同3位の谷崎大造(山梨学院大)大泉宗太郎(国士舘大)がこのチャンスをつかめるか。

 JOCジュニアオリンピックU20と東日本学生春季新人選手権を制した山口蓮汰(神奈川大)や、西日本学生選手権2連覇の青山夢斗(周南公立大)にとってもチャンスの大会となる。


 【87kg級】

 全日本学生選手権の1~3位の4選手(白井達也=日体大、宮本海渡=日体大、阿部光=中大、磯江大成=日体大)が、階級を上げたりして不出場。同82kg級2位の玉岡颯斗(早大)、昨年97kg級3位の三浦哲史(拓大)、JOCジュニアオリンピックU20優勝の岩井知史(明大)が争うか。

 ここに、世界選手権のフリースタイル79kg級代表の髙橋夢大(日体大)が加わる。グレコローマンでも昨年の東日本学生秋季新人戦82kg級優勝の成績を残した。優勝争いに加われるか。


 【97kg級】

 全日本学生選手権のチャンピオン(伊藤飛未来=日体大)はU23世界選手権へ出場。空いた座を、同2位の加藤大翔(国士舘大)、同3位の北脇香(早大)佐川健(神奈川大)、同87kg級2位の宮本海渡(日体大)、JOCジュニアオリンピックU20優勝の中原陸(大東大)、昨年の全日本学生選手権2位の山本純大(拓大)らが争う。

 グレコローマンには取り組んでいなかったが、カザフスタンからの留学生、アビレイ・ソビィット(山梨学院大)が、どこまで上位へ食い込めるか。

▲全日本学生選手権2位の加藤大翔(国士舘大)


 【130kg級】

 全日本学生選手権優勝の奥村総太(拓大)、同2位の小畑詩音(日体大)、同3位の宮内勇真(神奈川大)が、再度優勝を争うか。

 JOCジュニアオリンピック優勝の山田康瑛(山梨学院大)、東日本学生選手権優勝の吉村海里(国士舘大)、西日本学生新人戦優勝の佐々岡誇仁(中京学院大)らが優勝戦線に浮上できるか。







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