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2022.11.12

【2022年全日本大学選手権へかける】7度優勝の日大に8年ぶりの優勝のチャンス! 伝統復活なるか

 2014年の全日本大学選手権を最後に団体優勝に見離されている日大に、浮上のチャンスがやってきた。2022年全日本大学選手権(11月19~20日、大阪・堺市金岡公園体育館)は、4選手に優勝の期待がかかる布陣。当然、大学対抗得点の優勝も視野に入っている。

 優勝が期待されるのは、今年の8月の全日本学生選手権(インカレ)のチャンピオン2人(57kg級・佐々木風雅、70kg級・渡辺慶二=ともに3年生)、昨年のインターハイ王者で今年の国体優勝の吉田アラシ(97kg級=1年生)、学生王者を破った実績を持つ藤田龍星(125kg級=1年)の4選手。

 65kg級は東日本学生選手権優勝でチームをまとめる大橋寛介主将(4年)、74kg級にはU20アジア選手権で銅メダルを取った硎屋亮太郎(2年)が控える。まんべんなく上位に食い込めば優勝はやってくるのが、この大会だ。

▲チームをまとめる東日本学生王者の大橋寛介主将

 2人の1年生に優勝の期待がかかるというのも頼もしい状況。それによって上級生が意地を出し、チームが活気づく。その図式は、前回の優勝で証明されている。

 1年生だった白井勝太(現クインテット=今年の世界選手権代表)が優勝し、57kg級に起用された前田頼夢が3位に躍進。下馬評に挙がっていなかったチームが、優勝候補筆頭の山梨学院大に11.5点もの差をつけて優勝。当時の富山英明監督(現日本協会会長)は「くじ運だけでは優勝できない。全学年が結束しての優勝」と評した。

世界選手権代表などハイレベルのOBが練習に多数参加

 今年4月から指揮をとっている鈴木光監督は「優勝を目指して、いい雰囲気で来ています」とチームの現状を説明。インカレ王者2人と国体王者の最低3階級での優勝が目標。125kg級は、国体で負った藤田の負傷の回復具合によってはインカレ2位のラッサボン・ソークサイ(4年)の起用も考えており、それでも優勝を狙えると見ているので、4階級制覇も視野にいれる。

 選手起用に頭を悩ますのは、選手層が厚くなっている証拠。その切磋琢磨がチーム力の向上に役立っている。

▲全日本トップレベルのOBも連日参加し、熱気ある練習を展開

 2014年にこの大会で優勝を遂げたあと、個人の優勝選手は生まれても、団体戦では優勝どころか下位に低迷することも。忸怩(じくじ=恥じること)たる思いを持っていたOBも少なくなかった。鈴木監督は就任のあと、体を動かせるOBに数多く練習に来てもらうよう呼びかけ、学生だけで練習することがない環境を目指した。

 学生だけの練習では、どうしても“たるみ”が出てしまう。その是正が第一だった。長く女子の全日本チームを指導してきた齊藤将士コーチ(警視庁=2007年アジア選手権王者)が毎日のように顔を出すほか、白井勝太(前述)と石黒峻士(新日本プロレス職)の今年の世界選手権代表選手、白井とともに前回の優勝のときのメンバーだった山本康稀(今年の全日本社会人選手権125kg級優勝)が参加し、自らの練習をやりつつ、学生を鍛えてくれる。「選手は刺激されています」と鈴木監督は自信を持つ。

主将と3年生のインカレ王者2人がチームを引っ張る

 チームをまとめる大橋寛介主将も「各選手が、今まで以上に自主的な練習をしてきました。意識が高くなっているので、優勝を狙えるチームだと思います」と自信を見せる。下級生が頑張っているので、「4年生の自分も頑張って盛り上げなければなりません」と気を引き締めている。

 出場する65kg級では、清岡幸大郎(日体大)がインカレと国体を連続優勝し力をつけている。まだ闘ったことはないそうだが、「組み手がうまい」など研究はしており、闘うことになれば「勝たないとなりません」と気合を入れる。

 インカレ王者として臨む57kg級の佐々木風雅は「わくわくしています。まだ闘ったことのない選手もエントリーしているので、楽しみです」と、試合が待ち切れない様子。学生王者になったことのプレッシャーは「まったく感じません。(12月の)全日本選手権へ向けての弾みにしたい、という気持ちです」と、あくまでも前向きな姿勢だ。

▲長野・上田西高の先輩後輩になる学生王者・佐々木風雅(左)と大橋寛介主将の熱の入った練習

 日体大のこの階級は、出場が見込まれた選手が2人ともけがで出場できなくなったとの情報を入手しており、佐々木がインカレで破った弓矢健人(1年)が正選手でエントリーされていて起用されそう。「再戦となれば、違った展開になると思います。それに対応できるように練習しています」と話し、団体三冠を目指す日体大の一角を崩す腹積もりだ。

 70kg級で学生二冠王を目指す渡辺慶二は「根拠のない自信があるので、何も不安はない」と言う。学生王者という結果を持っているので根拠はあると思われるが、「(優勝は)たまたまです」と謙遜する。ただ、優勝のあと、それをベースに闘いの幅を広げることに取り組んできたので、そちらの方に自信の根拠があるようだ、

 山梨学院大が、U20世界選手権65kg級銅メダルの青柳善の輔を70kg級にエントリーしてきた。渡辺が6月の東日本学生選手権70kg級で負けている相手だ。そのことに水を向けると、「考えるのは未来のことだけ。過去のことは気にしていません」ときっぱり。インカレ王者に輝いたことも「過去のこと」と言い切り、挑戦者の姿勢を強調した。

▲インカレ優勝を「過去のこと」と言い切り、これからを見据える渡辺慶二

重量級の穴を2人の新入生が埋める!

 昨年の大会では、4年生の2選手が97・125kg級を制し、優勝した日体大に一矢報いたが、卒業で抜けた穴が年をおかずに埋まる可能性が出てきた。先月の国体で社会人の強豪2選手を破った97kg級の吉田アラシは「自信になっています。前に出るレスリングができました」と話し、パワーを中心とした体力がついたことを勝因に挙げる。

 この階級には、先月のU23世界選手権86kg級で優勝した白井達也(日体大)がエントリーしており、白井には全日本学生選手権(92kg級)で敗れている。本来は自分の方が上の階級であることもあり、リベンジが目標。それの達成は、日大の優勝が近づくことになろう。

▲重量級を支えるべき吉田アラシの練習を見守る齊藤将士コーチ

 125kg級の藤田龍星は、茨城県の国体予選で出頭海(中大=8月のインカレで優勝)に勝っており、これが大きな自信。インカレはU20世界選手権出場のため不参加だったわけだが、「オレこそが学生王者、という気持ち?」との問いに、遠慮がちながらも「そうですね」と言う。

 他に、本来97kg級の選手だが身長の高い伊藤飛未来(日体大)アビレイ・ソビィット(山梨学院大)がエントリーしており、体重はともかく、見上げるような選手との闘いがある。しかし、「得意の組み手と足の動き(スピード)で勝ちたい」と話す。6月の新人戦決勝では、大型の相手にスピードとスタミナで勝って優勝しているだけに、今回もその闘い方で勝利を引き寄せる腹積もりだ。

 2014年の優勝のとき、学生王者として出場した当時の池田智主将は、決勝で成長著しい高谷大地(拓大~現自衛隊)に敗れて優勝を逃した。卒業で選手活動に区切りをつけることを決めていたので引退試合を飾れなかったが、「団体優勝の喜びが悔しさをカバーしてくれました。最高の最後を飾れました」と、さわやかな表情で話した。

 そのときに話したもうひとつの言葉は、8年の歳月を超え、優勝を視野に入れている後輩への熱きメッセージとなることだろう。「団体優勝のうれしさは段違いです。9年ぶりにチームに優勝をもたらしたことが、うれしさに拍車をかけています」-。







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