2024年全米大学(NCAA)選手権は3月21~23日、カンザスシティーで行われ、ペンシルベニア州立大が6階級で決勝に進み、4階級を制して大会史上最高の172.5点をマーク。2位のコーネル大を100点引き離し、3年連続12度目の優勝を達成した。カエル・サンダーソン監督としては11度目の優勝。
同大学のカーター・スタロッチ(174ポンド級=78.9kg級)とアーロン・ブルックス(197ポンド級=89.4kg級)は6、7人目の4度優勝を達成した。ともに2021年から4年連続の優勝で、スタロッチはすべて174ポンド級、ブルックスは昨年まで184ポンド級(83.5kg級)での優勝。
過去の4度優勝は下記の通り(注=米国では、大学で活動できる資格を先延ばしするため、大学の大会には出場しない制度があり、5年生以上になった時に4度目のシーズンを迎えることもある)。
(1)パット・スミス(オクラホマ州立大/1990~92・94年=オリンピックV2のジョン・スミスの弟)、
(2)カエル・サンダーソン(アイオワ州立大/1999~2002年=2004年アテネ・オリンピック優勝=現ペンシルベニア州立大監督)、
(3)カイル・デイク(コーネル大/2010~13年=2018・19・21・22・23年世界選手権優勝)、
(4)ローガン・スティーバー(オハイオ州立大/2012~15年=2016年世界選手権優勝)、
(5)イアンニ・ディアコミハリス(コーネル大/2018・19・22・23年)
133ポンド級は、昨年の世界選手権61kg級優勝のビタリ・アルジャウ(コーネル大)が、2021年世界選手権2位のデイトン・フィックス(オクラホマ州立大)を破って2連覇を達成した。
優勝したペンシルベニア州立大は、1924年パリ・オリンピックで日本レスリング界初のメダルを獲得した内藤克俊選手が主将を務めた大学。1980年代には日体大OBの大石八郎さんがコーチとして在籍。1996年NCAA選手権では阿部三子郎選手(東京・京北高卒)が126ポンド級(57.2kg級)で日本人としてのべ7人目の優勝を達成した。
同大学にはこれまで日本協会の高田裕司・元専務理事、専大の佐藤満総監督、自衛隊の米満達弘コーチがコーチ留学している。