日本レスリング協会公式サイト
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2014.01.01

【年始特集】2014年のホープたち(1)…男子フリースタイル57kg級・樋口黎(茨城・霞ヶ浦高→日体大進学予定)

女子で揺るぎないレスリング大国を築き、男子でもオリンピックの金メダルを復活させた日本レスリング。2014年、新たな目標を目指した闘いが始まる-。

 昨年9月、2020年オリンピックの東京開催が決定。地元でのオリンピックへ向け、レスリング王国の威信をかけた闘いが始まる。日本レスリング協会が掲げた金メダルの目標は「10個」。そのためには、男子にも金メダルの量産が課せられる。

 初めから「不可能」と口にする人間に、栄光は絶対にやって来ない。2020年といえば、“史上最強の年代”と言われた今年度の高校3年生が、選手としてピークを迎える年。地元開催のオリンピックでの栄光は、2013年の高校レスリング界を席巻した選手たちの飛躍にかかっていると言っていい。

 もちろん、彼らを追う選手にも、東京オリンピックのマットに立つ可能性は無限にある。なぜなら、オリンピックのマットに立てるのは、多くの実績を持っている選手でなければ、期待されている選手でもなく、その時に「勝った選手」だからだ!

 頑張れ、炎のファイターたち! 必要なものは、負けを恐れない勇気であり、困難に立ち向かう度胸と覚悟、何よりもオリンピック金メダルへの消えることのない情熱だ。

 期待の男子高校選手の中から、今年、大学や全日本での活躍が期待される8人の選手を紹介する。(階級順。同じ階級の場合は順不同) 


樋口黎(茨城・霞ヶ浦) 文田健一郎(山梨・韮崎工) 木下貴輪(鹿児島・鹿屋中央) 奥井眞生(和歌山・和歌山工)
浅井翼(京都・京都八幡) 白井勝太(JWA/東京・帝京) 武田光司(埼玉・埼玉栄) 園田平(滋賀・日野)

 男子フリースタイル57kg級 樋口黎(茨城・霞ヶ浦高→日体大進学)

 大阪・吹田市民教室時代に全国少年少女選手権5度優勝の逸材。中学の全国大会では3年連続3位と伸び悩んだが、茨城・霞ヶ浦高校で大きく飛躍した。

 2年生(2012年)8月のインターハイから卒業するまで、インターハイ2連覇、国体2連覇を含めて敵なしの白星街道。最終学年の2013年は、全国高校選抜大会とインターハイの学校対抗戦、JOC杯カデット選手権でも優勝しており、6冠王者は今年ただ一人の快挙達成だ。

3年生のインターハイは、5試合の総得失点が33-0で、1試合平均タイムは1分23秒。国体は4試合の総得失点が32-1で、1試合平均タイムは0分52秒。この数字が強さを端的に物語っている。

 2014年は、新階級のフリースタイル57kg級で大学、および全日本へ挑む。全日本の57kg級(これまでの55kg級)は世代交代が行われており、2016年リオデジャネイロ・オリンピックへ向けて、全日本王者の森下史崇(日体大)が今年の世界選手権代表の稲葉泰弘(警視庁)のが城を崩し、インターハイ3連覇、1年生大学王者の快挙を達成した高橋侑希(山梨学院大)の争いの様相を呈してきたが、樋口の躍進で、この2人の立場も危うくなりそうな気配すら感じられる。

 昨年12月の全日本選手権は年齢制限のため出場できなかった(注=国際レスリング連盟の規定で、17歳の選手はシニアには出場できない)。18歳となる今年は、一気に世界を目指してほしい選手だ。


 ■樋口黎(ひぐち・れい)の話「最後の年に4冠を取れたので、大澤監督に教えてもらったことは正しかったと思います。勝ち続けるというのは、けっこうプレッシャーになることもあり、ポイントを取られただけで会場が湧いて辛い部分もありました。常にアウェーで闘っていたようなものです。それでも自分のレスリングをやることを心がけていて、負ける気はせずに闘えることができました。これで満足せず、大学で切り替えて1からスタートしたい。森下(史崇)さんは高校の先輩でもありますが、試合をやる時は一人の選手。勝ちにいきます」

 ■霞ヶ浦高・大澤友博監督の話「入学時はカウンターの選手だったので、これでは外国選手に通用しないと思い、1年間をかけて自分から攻撃する選手に育てた。飲み込みが早かった。同じアンクルホールドでも、いろんなアンクルホールドを試すなど研究熱心。今年の失点は新しい技を試したうえでの失点で、攻撃されての失点はなかった。大学では森下(史崇)と毎日向き合うことになる。もう射程距離にいると言っていい。切磋琢磨してお互いに力を伸ばしてほしい」

 ■日体大・松本慎吾監督の話「日体大に練習に来たことがあり、レスリングと真剣に向き合い、必死に練習していた姿が印象的だ。森下(史崇)と同じで、タックルのできる選手。フリースタイルはタックルができなければ世界で通用しない。森下や他の選手と切磋琢磨し、さらに高いレベルでタックルを身につけてほしい。2016年のリオデジャネイロ・オリンピック、さらに2020年の東京オリンピックの金メダルを目指し、早い段階から世界で闘って実績を積み重ねてほしい」



 ◎2013年の成績

 【3月:全国高校選抜大会・学校対抗戦】優勝
55kg級に出場。5試合のうちフォール勝ち3試合、2-0勝ち2試合。総得失点は55-1(1試合平均タイム2分16秒)=旧ルール

 【3月:全国高校選抜大会・個人戦】優勝(55kg級)
5試合をフォール勝ち3試合、2-0勝ち3試合で勝ち上がる。5試合の総得失点は24-1(1試合平均タイム2分1秒)=旧ルール

 【4月:JOC杯】優勝(カデット・フリースタイル58kg級)
5試合をフォール勝ち2試合、2-0勝ち2試合で勝ち上がる=旧ルール

 【8月:インターハイ・個人戦】優勝(55kg級)
5試合をフォール勝ち4試合、テクニカルフォール勝ち1試合で勝ち上がる。総得失点は33-0(1試合平均タイム1分23秒)

 【8月:インターハイ・学校対抗戦】優勝
55kg級に出場。4試合をフォール勝ち1試合、テクニカルフォール勝ち3試合(他に不戦勝1)。総得失点は32-4(1試合平均タイム1分25秒)

 【8月:世界カデット選手権】8位(55kg級)
イスラエルとイランの選手にテクニカルフォール勝ちしたあと、ロシア選手に5-7で敗れる

 【8月:全国高校生グレコローマン選手権】=(不出場)

 【10月:国民体育大会】優勝(フリースタイル55kg級)
4試合をテクニカルフォールで圧勝の2連覇。総得失点は32-1(1試合平均タイム0分52秒)。


 







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