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2021.02.14

【特集】最強チームでレスリングをやり遂げた自信と誇りを胸に、リングで飛躍を目指す…芦野祥太郎(東京・自由ヶ丘学園高~日体大OB)-《下》

《上から続く》

 卒業にあたって新日本プロレスの入門テストを受けたが、「174cm」の身長が規定に達しなかったのか、3度とも不合格。2回は書類選考も通らなかった。当時の新日本プロレスは、ジュニアヘビー級からヘビー級の人材確保に移行し、条件が「身長180cm以上」に変わった。これだけなら、タイミングを待つこともできただろうが、翌年から「年齢23歳以下」となり、どちらも基準に達することなく、門が閉ざされた形となった。

無名のレスリング時代からはい上がり、全日本プロレスの至宝ベルトに挑むまでに成長した芦野=1月24日、後楽園ホール(撮影・山内猛)

 それでもプロレスラーへの夢をあきらめられなかった。「一般企業への就職は考えていなかったし、考えられなかった」と、アルバイトしながら日体大のトレーニング場で体を作り、夢を追った。自身で決めた年齢の上限は「26歳」。“リミット”にあと1年半くらいになった時、大学内のサウナで松本慎吾監督と会い、現状を話したところ、馳浩・日本協会副会長のルートでWRESTLE-1を紹介してもらい、道が開けた。

 2014年8月に入門。翌2015年1月にデビュー。メジャー団体ではないものの、「プロレスラーにならなければ、始まりません。やっとスタートラインに立ったな」と、最初の関門を突破できたことがうれしかった。同期の泉武志さんは「デビュー戦を見に行って、夢をかなえた姿を見た時は鳥肌が立ちました。誇らしかったです」と、その時の感動を話す。

 入門時の体重は約81kg。ヘビー級での闘いが目標だったので、体重を増やしたかったが、脂肪だけで増えても動きが悪くなる。急激な増量では体も壊す。「1年で5kgが限度でしょう」と時間をかけて体をつくり、現在は約100kg。レスリングのベースを基にWRESTLE-1でのチャンピオンを奪取する活躍で、同団体が活動停止するにあたり、いくつかの団体から声がかかるほどの選手に成長した。

「力と技のプロレス」に現代流を加えたスタイル

 最近のプロレスは空中技が飛び交い、派手さが前面に出て、それが若者を引き付けている。強さが前面に出る昭和のプロレスとは大きく違い、ファン層も変わっている。芦野の目指すプロレスは「力と技の激突」で、昭和のプロレスに近い。高校から大学までやってきたレスリングを基にしたファイトでアピールする選手が目標。ブリッジワークを使ったスープレックスも得意技のひとつだ。

コーナー最上段からのムーンサルトプレスも必殺技のひとつ=同

 派手なタイツの選手が主流の中で、V字のタイツで闘うのも、自身のスタイルに合わせてのこと。今回のタイトル挑戦で初めて赤のタイツを着用したが、基本は黒。一方で、トップロープからバック転をして攻撃する「ムーンサルトプレス」を使うなど現在に合わせたプロレスも取り入れている。この時代に“昭和のプロレス”をやるような時代錯誤の考えは持っていない。

 もっとも、空中技も“日体大レスリング部”の真骨頂と言えるだろう。レスリングの強豪チームの練習を見たことのある人には説明不要だが、レスリングのトップ選手は体操の選手を目指してもおかしくないほど、バック転や空中回転は難なくこなす運動神経を持っている(ただし、それらができなくともオリンピック代表になった選手もいる)。リングのコーナー最上段は、素人なら立っただけで両脇の場外の床からの高さに恐怖を感じてしまうが、そこからの空中回転技も「怖くはないです」とサラリ。

 プロレスラーになる選手の体力と運動神経、そして度胸と根性は卓越していると感じさせるが、これまでWRESTLE-1の入門を志願してきた選手は、そんな選手ばかりではない。「部活動をまったくやっていない子もいました。体力がなく、『それで、よくプロレスラーになりたいと思ったな』と言いたくなったケースもあった」そうだ。

将来の夢はWWE出場! 最高峰を目指すからこそ実現する

 プロレスが若者のあこがれの職業になること自体は歓迎すべきことだろうが、ハードルが下がり、だれもがなれる職業であってはならない。いや、なれると思われる職業であってもなるまい。芦野は「自分は(プロレスラーの中で)身長が低い。周囲になめられないだけのことをやっています」と話し、それだけの練習と試合をこなし、覚悟を持ってリングに上がっていることを強調する。

全日本プロレスのリングで台頭を始めた芦野。将来はWWEでの活躍を目指す=本人提供

 「諏訪魔さんが認めてくれたのは、そんな姿勢なのではないかな、と思っています」。その根底にあるのは、最強チームでレスリングをやり遂げた自信と誇りであることは言うまでもない。WRESTLE-1での練習(スパーリング)でも「負けたことはなかった。関節技は(レスリングにはないので)取れないけど、取られることもなかった」ときっぱり。

 将来の目標は世界最大のプロレス団体WWEで闘うこと。「ずっと思っています。そこを目標にしてやっていないと、絶対に行くことはできないでしょう」という言葉は、松本慎吾監督が常に口にする「国内で勝つことじゃない。世界で勝つことが目標」という姿勢と相通じるものがある。

 現在、WWEのスターとして活動している中邑真輔(青山学院大OB)がWWEのマットに定着したのは、デビューから15年目のこと(関連記事)。全日本プロレスで台頭を始めた芦野は、デビューして6年が経ったところ。まだ十分な時間がある。

 まず三冠ヘビー級王座奪取であり、両国国技館や日本武道館の満員の観客の中で輝くこと。可能性は無限に広がっている。門前払いした新日本プロレスが悔しがる日がやってくる-!

《芦野祥太郎SNS》 ツイッターフェイスブック

《芦野祥太郎の出場予定》
2月18日(木)東京・新木場1stRING(18時)
   20日(土)愛知・名古屋国際会議場(18時)
   21日(日)静岡・キラメッセぬまづ(18時)
   23日(祝)東京・後楽園ホール(11時30分)







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