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2021.09.28

【2024年パリ・オリンピックへのスタート】夢を目指す気持ちに揺るぎなし! 6度目の出場にかける…男子グレコローマン130kg級・園田新(ALSOK)

 

園田新(ALSOK)

 次のオリンピックまで「3年」という変則となった東京~パリのサイクル。10月2日から始まる世界選手権(ノルウェー)には、休む間もなく出場する強豪選手が少なくない。日本でも、オリンピック代表選手の出場こそないものの、4~5月のオリンピック予選で夢断たれた選手が何人か出場する。

 その一人が男子グレコローマン130kg級の園田新(ALSOK)。4月のアジア予選(カザフスタン)では、前年のアジア選手権3位のロマン・キム(キルギス)を破り、5月の世界最終予選(ブルガリア)では2019年パンアメリカン大会2位のモイセス・ペレス(ベネズエラ)に勝つなど、間違いなく実力をつけている。

 東京オリンピックのマットに立つ望みが消えたあと、すぐに再起を決意した。最終予選から帰国し、隔離期間が明けてすぐにあった全日本選抜選手権に出場。圧勝で7連覇を飾り、世界選手権への出場権を得た。「気持ちはすぐに切り替えられました。ここまでの練習は、頑張ってやって来られたかな、という気持ちはあります」と、世界選手権の先にあるオリンピックを目指す気持ちに揺るぎはない。

強豪ぞろいのエントリー、「まず1勝」が目標

 「気持ちの切り替えがすぐにできたのは、オリンピックへの強い思い?」との問いに、「小さい頃からの夢です。(最重量級で)こいつ、何を言っているんだ、と思われるかもしれませんが…」と話し、変わることのない目標を話した。

5月の最終予選でパンアメリカン大会2位のベネズエラ選手を破った園田=チーム提供

 予選を振り返ってもらうと、「闘えるようにはなっているとは思います」と手ごたえは感じている。外国選手に比べると劣っていると感じていた体力が、しっかりついてきたという実感がある。押し負けずにパッシブを取り、ローリングで先制。もし先にパッシブを取られたら、ローリングをこらえて失点を許さず、スタミナ戦に持ち込んで後半勝負、が勝利の方程式。

 今年の予選で感じたかすかな手ごたえを、次の予選が始まるまでの2年間で、どこまで伸ばせるか。年齢を重ねると体力の衰えとの闘いも課題となるが、オリンピック予選で感じた限り、衰えは見当たらない。

 発表された世界選手権のエントリーを見ると、2018年世界王者(セルゲイ・セメノフ=ロシア)、2019年世界王者(リザ・カヤルプ=トルコ)、2019年世界2位(オスカル・ピノ=キューバ)、東京オリンピック2位(ヤコビ・カジャイア=ジョージア)ら、そうそうたるメンバーが名を連ねている。「まずは1勝」と言う目標は、現実を直視した正直な思いだろう。

 初戦で勝てば、最低でも2試合はできる。1勝でも2勝でもすれば、その後負けても敗者復活戦へ回る可能性も高くなる。少しでも多くの試合をこなすことが今後につながるので、「まず1勝」だ。「(確実に)勝てる相手との組み合わせがいいに決まっていますが、これまで闘ったことのない国の選手とやることが、自分のためになると思います」とも話し、挑む気持ちは強い。

ロシアの元世界王者を追い詰めた初の世界選手権

 初の世界選手権出場だった2014年大会(ウズベキスタン)は、「20歳」でチーム最年少。1回戦でロシアの元世界王者(バイリャル・マホフ)に首投げを決め、フォール寸前まで追い込んで見ている者の度肝を抜いた(関連記事)。しかし、投げ技は得意ではないと言う。「持っていれば闘いの幅が広がるんですが、苦手なんですよ」と、タイミングよく決まったそのとき以来、ほとんど仕掛けていない。

初の世界選手権だった2014年大会、ロシアの元世界王者をフォール寸前に追い込んだ園田=撮影・保高幸子

 一度決まったからといって中途半端に仕掛けてしまっては、逆の結果になってしまう。やはり、自分のスタイルを貫いて勝利を目指したい。そのためにも練習量を増やしたいが、国内での重量級選手の不足という状況は変わっていない。

 2019年冬には、約2ヶ月半、ハンガリーに単独修行に出かけ、同国ほかのナショナルチームの練習に加わり、国際大会もこなした。パリ大会へ向けて、そうした修行をやって練習の量と質を増やしたいが、世界的に新型コロナウィルス感染がおさまっていない状況下、計画が立てられないのが現実。帰国後の2週間の隔離で練習できないマイナスも出てくる。

 「コロナがおさまれば、また行ってみたいんですけどね」。パリ大会までの期間を考えると、来年後半までには状況に変化があり、海外への往来が自由になってくれることが望まれるが、見当はつかない。外国選手と闘える貴重な場となる世界選手権で、1試合でも多くの試合をこなすことが、今の園田に必要なことになる。

 男女30階級で最多の6度目の出場となる世界選手権。国際舞台での実績が今ひとつのせいか、強気一辺倒の言葉は出てこないものの、「自分の力を出し切ること。そうでなければ、派遣してもらう意味がないですよ」と話し、着実な前進を誓った。







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