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2022.11.16

【2022年全日本大学選手権・展望(大学対抗得点)】グランドスラムを目指す日体大に、山梨学院大と日大が挑む!

 

 2022年内閣総理大臣杯全日本大学選手権は11月19日(土)~20日(日)に大阪・堺市金岡公園体育館で行われる。5月の東日本学生リーグ戦と10月の全日本大学グレコローマン選手権を制した日体大が、1994年の日体大が最後となった年間の団体戦を完全制覇する“グランドスラム”の偉業に挑戦する。

 試合方式やスタイルが違う3大会(西日本大学にとっては4大会)をすべて制覇するのは難しく、「あと1勝」に迫って最後の全日本大学選手権を迎えることすら、滅多にない状況。3年前の日体大が、12年ぶりにその状況に持ち込んだが、山梨学院大に優勝をさらわれた。

 昨年は、日体大が全日本大学グレコローマン選手権で2位の拓大に19点差をつけて優勝。全日本大学選手権は全階級で決勝進出を果たし、5階級を制覇し3階級で2位。日大に32.5点の大差をつけて2連覇達成。すばらしい戦力を持っていたが、東日本学生リーグ戦がコロナのため中止となっており、グランドスラム達成はならなかった。

▲2位に大差をつけ、圧倒的な強さで優勝した昨年大会の日体大=撮影・保高幸子

 昨年までの5年間の優勝得点は、2016年=58点(山梨学院大)、2017年=48.5点(拓大)、2018年=55点(日体大)、2019年=49点(山梨学院大)、2020年=71点(日体大)、2021年=87点(日体大)

 昨年の優勝得点「87点」は、8階級制では大会史上最高得点。今年は、そこまでの独走は厳しい状況と言え、山梨学院大と日大の踏ん張りがあれば60点が優勝ラインとなりそう(注=今年は、10階級実施されるものの、非オリンピック階級4階級のうち2階級を選択し、8階級での闘い)。

 大学対抗得点の展開を予想した。(正選手が起用されることを前提とした予想です。直前の負傷による選手交代・戦力ダウンは勘案しておりません。組み合わせ抽選は18日。得点は、優勝=12点、2位=9点、3位=6点、5位=3.5点、7位=2点、8位=1点)

《各階級展望》 《大会要項》


各大学エントリー選手(階級別は「各階級展望」に掲載)

青山学院大・育英大・大体大・神奈川大・関大・関学大九州共立大・近大・慶大・国士舘大
周南公立大・専大・大東大・拓大中大・中京学院大・帝塚山大・天理大・同志社大
東洋大・日体大・日本文理大 / 日大・福岡大・法大・明大・桃山学院大山梨学院大・立大・立命館大・早大


安定感抜群の清岡幸大郎(65kg級)と髙橋夢大(86kg級)…日体大

 日体大の中で、かなりの確率で優勝を期待できるのが、65kg級の清岡幸大郎(3年)と86kg級の髙橋夢大(3年)。清岡は全日本学生選手権と国体を制し、急成長している選手。高橋は86kg級に上げたばかりだが、学生間ではグレコローマンへの挑戦を含めて白星街道をばく進中。大きな負傷など、よほどのことがない限り優勝を計算できる(12点×2=24点)。

 他の6選手も、3位を逃すことは考えられないメンバーが並ぶ。ただ、ノーシード制なので、強豪が同じブロックに集まり、敗者復活戦に回ることができずに「0点」となる場合があるのがこの大会。これまで、“3番目の実力を持っている選手”が「0点」に終わった例はいくらでもある。大会前日に決まる組み合わせ次第で、どう転ぶか分からない。

 その中でも、61kg級の田南部魁星(2年)と79kg級の小柴伊織(2年)は、田南部が榊流斗(山梨学院大)に、小柴が山倉孝介(早大)に敗れることはあっても、敗者復活戦に回って3位は確保できそう(決勝での負けなら2位)。2階級で15点(9点、6点)以上は見込めるだろう。

▲2019年に続き、グランドスラムに挑戦する日体大

 57kg級の弓矢健人(1年)、74kg級の高田煕(3年)、97kg級の白井達也(4年)、125kg級の伊藤飛未来(4年)の階級には、優勝を狙える強豪が他に2選手以上はいる。優勝候補が片方のブロックに固まった場合、最低でも3位に入れるかどうかがカギ。

 1人でも2人でも優勝すれば、この4階級で36点は超える(12点×2、6点×2)。逆に、1階級でも8位入賞を逃せば20点を切ってしまうこともありうる。得点合計予想は、最高で75点を超え、この場合は文句なしの優勝。悪ければ60点を切り、他大学の得点次第ということになるだろう。

小野正之助(57kg級)ら4階級制覇もありうる山梨学院大

 山梨学院大は、57kg級の小野正之助(1年)、61kg級の榊流斗(4年)、70kg級の青柳善の輔(3年)、74kg級の佐藤匡記(3年)で優勝が期待される。各選手の実績やライバルと目される選手との対戦成績からすれば、不可能なことではない。

 思い通りに行かないのが勝負の世界。1階級は落としても42点(12点×3、6点)。70kg級以外の3階級は、「優勝=日体大との対決を制する」ことになり、日体大の得点を下げることにつながるので、この3階級はぜひとも優勝したいところだ。

▲4階級以上の優勝を目標に、3年前の再現を目指す山梨学院大

 65kg級の荻野海志(1年)と86kg級の五十嵐文彌(1年)が伸びており、125kg級に出場するアブレイ・ソビィット(1年)とともに、優勝はできなくとも3位には入れる実力はある(6点×3=18点)。以上の7選手で60点はいく可能性がある。

 チーム事情によって、本来の階級より15kgも重い階級(97kg級)に挑む全日本大学グレコローマン選手権82kg級王者の谷崎大造(3年)が上位に食い込み、どこまで得点を上積みできるか。合計70点を超えるのは厳しいだろうが、60点を超えて日体大を上回るケースはありうる。

2人の1年生選手がチームを押し上げるか…日大

 8年ぶりの優勝の可能性が出てきた日大は、57kg級の佐々木風雅(3年)と70kg級の渡辺慶二(3年)の学生王者に加え、97kg級で国体を制した吉田アラシ(1年)、125kg級で学生王者を茨城県国体予選で破った実績を持つJOC杯王者の藤田龍星(1年)の4階級で優勝を目指す。

 佐々木には小野正之助(山梨学院大)、渡辺には青柳善の輔(山梨学院大)、吉田には白井達也(日体大)、藤田には出頭海(中大)という強豪がいる。4階級制覇は厳しいかもしれないが、最低でも2階級で勝ち、残る2階級で2位か3位には入りたい(12点×2、6点×2=36点)。

 他の4階級で3位に入れば24点(6点×4)が加わり、優勝ラインの60点へ到達する。4階級、最低でも3階級制覇を目指し、全階級で上位入賞が団体優勝の道だ。

▲「奇跡の優勝」とも言われた2014年以来、8年ぶりの栄冠を目指す日大

 早大、拓大、国士舘大は、いずれも2階級で勝つ可能性を秘める。早大は74kg級で昨年の全日本学生選手権優勝の深田雄智(3年)、79kg級で全日本学生選手権優勝の山倉孝介(3年)、拓大は65kg級で昨年61kg級優勝の森川海舟(4年)、97kg級で昨年の全日本学生選手権92kg級1年生王者の三浦哲史(2年)、国士舘大は65kg級で全日本学生選手権2位の諏訪間新之亮(4年)、6選手のみのエントリーとなった92kg級で全日本学生選手権3位の目黒優太(3年)

 優勝選手数を争うのではなく、総合力を争う方式。2017年の拓大が「個人優勝なし、3階級優勝の山梨学院大を上回って団体優勝」を達成した。2階級で勝って、まんべんなく上位へ進めば団体優勝はありうるし、個人優勝を出せないチームでも団体優勝のチャンスはある。「0点」(9位以下)を出さないことが、この大会の団体優勝の“鉄則”。

 全階級で実力者を抱える日体大が28年ぶりの偉業を達成するか、他大学による“ピンポイント攻撃”の積み重ねで偉業は持ち越しとなるか。2022年の大学日本一をかけた闘いは、間もなくホイッスルが鳴る。







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