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2017.07.19

【特集】2017年世界選手権へかける(3)…男子フリースタイル86kg級・松坂誠應(自衛隊)


《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》《勝者の素顔=JWFフェイスブック》


(文=樋口郁夫)

 2009年以来、松本篤史と松本真也で出場を分け合っていた世界選手権の男子フリースタイル84・86kg級。松本篤がグレコローマンへ転向し、松本真が引退した今年は、「松」の伝統を引き継いだわけではないだろうが、松坂誠應(自衛隊)が初出場する。

 アジア選手権には2度出場しているが、世界選手権は重みが違う。「中途半端な試合なら、『出なかった方がいい』と言われてしまう。実力はまだないけど、思い切ってやりたい」。控えめの中にも初の大舞台にかける意気込みが感じられる。

 昨年、リオデジャネイロ・オリンピック世界予選に出場している。前年の全日本選手権で松本篤を破って2位となり(優勝は松本真)、めぐってきた出場権だった。オリンピックの第1候補選手を破っての全日本2位だから、まごうことのない日本代表だが、今から振り返ると、「世界で闘える心身ではなかったですね」と話す。

 日本代表になったとはいえ、国際大会では何の実績も残していなかった。その状態で勝ち抜けるほど甘い世界ではない。「自分の弱点を知りました」という世界の壁。経験してこそ分かった課題に取り組み、「ひとつずつこなして、少しレベルアップできたかな、と思っています」と、今にいたっている。

 その言葉を裏づけるように、今年2月のデーブ・シュルツ国際大会(米国)では2位となって国際大会初のメダルを獲得。5月のアジア選手権では、74kg級で2015年世界2位のモンゴル選手と2-3の接戦を展開した。国際舞台で闘える実力は間違いなくついている。

■屈指の進学校・島原高からは創部53年目で初の世界選手権代表

 上昇気流を後押しするのが、4月から進んだ自衛隊の環境だ。学生の時は当然のことながら授業が優先。今はそれがない。規律では学生時代以上に厳しい面もあるが、「組織の一員という自覚が出て、頑張る気持ちになれる」と言う。

 自衛隊は昨年のリオデジャネイロ・オリンピックで初めて代表を出すことができず、巻き返しをかけて燃えている。今年は松坂以外に65kg級の鴨居正和と97kg級の赤熊猶弥とが代表権を獲得し、全体の士気が上がっている。1階級上の代表も自衛隊の選手ということは、自衛隊での練習も全日本合宿のようなもの。「最高の環境に身を投じたと思っています」と話す。

 2012年ロンドン・オリンピックでは男子両スタイルの96kg級で出場権を獲得し、日本の重量級に明るい兆しが差したように思えたが、フリースタイル84・86級は2004年アテネ大会を最後に、ぽっかりと空いている。その事実は松坂も知っており、身を引き締める材料でもある。「簡単に勝ち抜ける階級ではない。でも、闘うしかない」-。

 長崎県出身選手としては1975年の宮原照彦以来42年ぶりの世界選手権出場(グレコローマン62kg級=翌年のモントリオール・オリンピックにも出場し4位)。生徒の半数以上が国公立大学に進む進学校の島原高からは、創部53年目で初の世界選手権代表となる。

 奇しくも昨今、同高出身の山梨学院大・下田正二郎部長が同大学の黄金時代をスタートさせた。それに呼応するかのように、島原育ちの松坂が世界へ飛躍する。

松坂 誠應(まつさか・まさお=自衛隊) 初出場 
 1994年7月18日生まれ、23歳。長崎県出身。長崎・島原高~日体大卒。176cm。高校時代は全国大会無冠。大学2年生(2014年)のJOC杯で優勝し、世界ジュニア選手権出場と台頭。2015年は学生二冠王に輝き、全日本選手権は2位。
 2016年はオリンピック予選に出場したが、実らなかった。その後、全日本学生選手権で優勝。国体は2位とつまずいたが、全日本大学選手権で勝ち、2年連続で学生二冠を制覇。全日本選手権で初優勝。 

2012年全国高校生グレコローマン選手権で2位入賞

日体大2年生の2014年JOC杯で初の全国制覇を達成


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