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2013.09.05

【特集】世界選手権へかける(14)…男子グレコローマン66kg級・清水博之(自衛隊)


《世界選手権へかけるシリーズ》

男子フリースタイル 55kg級 60kg級 66kg級 74kg級 84kg級 96kg級 120kg級
男子グレコローマン 55kg級 60kg級 66kg級 74kg級 84kg級 96kg級 120kg級
 女   子  48kg級 51kg級 55kg級 59kg級 63kg級 67kg級 72kg級

(文=保高幸子)

 世界選手権のグレコローマン66kg級は、ロンドン・オリンピック出場を果たした藤村義(自衛隊)と長年切磋琢磨してきた同門の清水博之(自衛隊=右写真)が出場する。世界選手権代表がかかった今年6月の全日本選抜選手権では、階級を上げたロンドン・オリンピック60kg級銅メダルの松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)と2回戦であたり敗退。前年の全日本選手権で優勝していたのでプレーオフに出場し、音泉秀幸(日体大=現ALSOK)に勝って代表の座を勝ち取った。

 冷や汗ものの世界選手権出場キップ獲得だったが、これまでの国際大会で見せてきた外国人選手への強さを世界選手権でも発揮できるか。

■「自衛隊でレスリングが続けられるだけでうれしかった」

 清水は2009年12月の全日本選手権で初めて優勝。高校時代から通して初めてのビッグタイトルとなった。滋賀・日野高時代は全国大会ベスト8が最高。「高校時代は弱かった」と清水。だが、小中高と同じ門をくぐった1学年下の倉本一真(自衛隊=同じく世界選手権初出場)が「休みの日も1人で筋トレしてました」と証言するように、レスリングが好きで好きで仕方なかった。

 卒業するにあたり、大学進学で親に経済的負担をかけたくなかった。そんな時、恩師の高校の南敏文監督から、いったん自衛隊に一般入隊し、それから体育学校に進むことを勧められ、航空自衛隊に入隊した。熊谷駐屯地で一般隊員としての任務にも就いたあと、体育学校へと進んだ。

 「レスリングが続けられるだけでうれしかった」。全国タイトルを持たない清水だったが、自衛隊に入って力をつけた。入隊2年目の2007年1月にあった2006年度全日本選手権で準優勝の快挙を果たす。生まれて初めて海外に渡り、試合をしたことをきっかけに、オリンピックを目指す気持ちに火がついたという。

 その場所がハンガリーだった。「思い出の地であり、原点です。その大会ではロンドン・オリンピックで2位になったタマス・ロエリンツと闘ったんです」と初心を思い起こす。

■階級アップも考えたが、最終的に66kg級へ

 ロンドン・オリンピックを逃した後、階級アップを考えていたこともあり、昨年1月頃からはウエートトレーニングに力を入れた。「筋肉量が増えましたし、前より力が入りますね。ぶれたり、大きい選手に押されたりすることもなくなりました」と自信をつけてきた。最終的に66kg級にとどまることを決めた。10kgの減量は苦しいところだが、今後の階級区分の変更では、オリンピックに向けて清水にとっては悪い方には転ばないと考え、体作りを続ける。

 今年は4月のアジア選手権(インド)で3位。「試合中に考えすぎてしまった」と満足していない。だが、国際大会での数々の表彰台は実力がある証拠だろう。国内で勝つことができないことがあるのは、闘う相手がどんな選手か熟知し、そこに油断が生まれるからのようだ。国際大会では初めて闘う選手が多く、緊張感を持って試合できることが成功につながっている。

 そこにパワーも加わった。勝ちパターンは“体力勝負”という清水。「どんどん攻めて自分のスタイルを貫く。自分には差し押ししかないので、相手をばてさせてコーションを取り、グラウンドでポイントを稼いでいきます。外国人選手の心を折ってやりますよ!」と頼もしい。

■幻のオリンピック代表である恩師をリオデジャネイロに連れていく

 今年28歳となる清水には、今年5月に元世界3位の妻・真喜子(旧姓坂本)との間に第2子として勇次郎君が誕生。生まれたばかりなので現地へ連れてくることはあきらめたが、「家族のために頑張ります」ときっぱり。豪太君は、リオデジャネイロ・オリンピックの頃には5歳。オリンピックでの勇姿を見せたい。

 また、高校時代から今まで気にかけてもらっている恩師にも熱い思いがある。南監督は1980年モスクワ・オリンピックの“幻の代表”。「日野高校出身者で『南先生をオリンピックに連れて行きたい』って話しているんです」。リオデジャネイロ・オリンピックのためにも、この世界選手権ではずみをつけたい。

 応援してくれる人たちのために勝ちたいという思いを持って、世界選手権に挑む清水。「結果はついてくるものです」と、はっきりした目標を言わないが、オリンピックを目指すきっかけとなった地のハンガリーで、清水らしいレスリングを見せて勝利の雄叫びを見せてほしい。

清水博之(しみず・ひろゆき=自衛隊)   初出場
 1985年12月18日、滋賀県生まれ、27歳。滋賀・日野高卒。高校時代は全国大会無冠ながら、2009年全日本選手権で優勝を達成。2012年は全日本選抜選手権74kg級で制した後、全日本選手権は66kg級へ戻して優勝。国際舞台でも2010年サンキスト・オープン優勝、2011年アジア選手権3位など実力を発揮している。今年4月のアジア選手権は3位。全日本選抜選手権で優勝を逃しながらも、プレーオフで勝って世界選手権へ。176cm。

 ◎清水博之の最近の国際大会成績

 《2013年》

 【4月:アジア選手権(インド)】=3位(11選手出場)
3決戦  ○[2-0(2-0,3-0)]Arsen Ailchiev(キルギス)
準決勝 ●[0-2(0-4,0-1)]Mehdi Chooli Zeidvand(イラン)
2回戦  ○[2-1(0-1,1-0,7-0)]Taha Y. Dhahir AL Salihi(イラク)
1回戦  BYE

 【2月:デーブ・シュルツ国際大会(米国)=74kg級】
敗復2  ●[フォール、2P0:44(2-0,F)]Jon Anderson(米国)
敗復1  ○[2-0(1-0,1-0)]Bo Beckman(米国)
3回戦  ●[0-2(0-1,0-2)]Andrew Bisek(米国)
2回戦  ○[2-0(1-0,1-0)]Keith Barkers(米国)
1回戦  BYE

 【1月:ジャック・ピント・カップ(米国)=団体戦74kg級】
4回戦 ●[フォール、1P0:30]Tanner Andrews
3回戦 ○[2-0(1-0,1-0)]Jon Anderson
2回戦 ●[0-2(0-1,0-1)]Jake Fisher
1回戦 ○[2-1(0-3,1-0,2-0)]Andrew Bisek


 

 







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