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2015.08.02

【特集】2015年世界選手権へかける(3)…女子55kg級・木村安里(群馬大)


男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《木村安里・略歴》《木村安里・国際大会成績》《女子55kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=女子》


(文=保高幸子)

 日本レスリング史上、初めて現役国立大生が世界に挑む-。2002年以来、常に日本選手が優勝してきた世界選手権の女子55kg級。伝統を守るべく世、今年の界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)に出場するのは、群馬大学教育学部3年生の木村安里。昨年くらいまでは、世界選手権代表は夢のように思っていた選手だ。

 6月の全日本選抜選手権のあとの全日本合宿中に行われた参考試合でを経て世界選手権出場の座を勝ち取った。「ここまでして勝ち取った権利なので、世界でも上を取りたい。ワクワクしています」と話す。

■部員の少ない練習環境だが、練習時間の工夫や“チーム前橋”の協力で乗り切る

 高校3年生になって進路を考えた時、「小さい頃からレスリングを続けてきたから、上を目指したい気持ちはあった」と、レスリング強豪大学に進むかどうか悩んだ。結局、「教師になりたい」という夢を抱いて群馬大を受験。同大学でレスリングを続けることになった。

 部員は、木村の他には男子1人しかおらず合わせて2名。しかし、「群馬大で毎日練習をしている部はレスリング部だけです」と木村。その言葉には、小さな部でも上を目指しているという気概が感じられる。

 練習環境を得るため、柳川美麿監督(群馬大監督=育英短期大学准教授)は昨年末から早朝マット練習を始め、群馬大や前橋育英高のOBが出勤前に練習に参加してくれることもある。午後は育英短大でさらにマット練習。基本的には監督、コーチ、木村、伊藤優(昨年の全日本学生選手権・男子フリースタイル57kg3位)と高校生1人の5人が練習メンバーだ。

 柳川監督は「毎週土曜は前橋西高校で前橋のチーム合同で練習しています。全日本合宿ではスパーリング相手がたくさんいるので、所属とは違った練習になり、力をつけています」と話す。現在は、全日本合宿で他チームの選手との実践練習をし、群馬大に戻って技術の確認をするというルーティンで、世界で勝つために特訓中だ。

■全日本選抜選手権優勝の翌日には集中講義を受講

 群馬大のレスリング部は柔道部と共用のためマットを常設できず、練習のたびにマットを敷き、練習後に片付けている。参加者が少なく2人で全て行ったこともある。国立大だけに、単位取得の面での優遇措置は少ない。全日本選抜選手権で優勝した翌日(大会2日目)には群馬大へ戻り、集中講義を受けていた。柳川監督は「大変な環境ですが、文句も泣き言も言わない。謙虚ですよ」と木村を評する。

 群馬・西邑楽高時代は、JOC杯カデットや全日本女子オープン選手権・高校生の部での優勝はあるが、全国高校女子選手権は2012年の3位が最高(51kg級)。その頃、同学年の宮原優(東洋大)や川井梨紗子(至学館大)、入江ななみ(九州共立大)らは全日本の表彰台にいた。

 「自分なりに追い込んでいるつもりだったので、もうこれ以上の成績は出ないのかな、と思っていました」-。大学に入って、「今までは練習してなかったんだな」と気づく。レベルアップした練習内容に、「こんなにやっているんだから、勝てないはずがないって、自信を持つようになりました」と意識が変わった。大学2年の昨年12月、初めて全日本選手権の表彰台に上った。

■組んでくる選手が多い外国での闘いの方が得意!

 十日町での全日本合宿は7月中旬の合宿参加で3回目。「男子と練習していると、『相手は男性だから(負けても)仕方ない』と途中で諦めの気持ちが出るんです。女子の合宿では、女子同士なので競い合ってできますね。女子選手が追い込んでいるのを見て、『女子』を言い訳にしちゃいけないんだと思いました」と、刺激されることが多い。

 不器用ながらも、組み手がうまく圧力をかけ続けられるのが強みで、組んでくる選手が多い外国での闘いの方が得意。今年のアジア選手権(カタール)を制したことで、それが証明された形だ。柳川監督も「本番に強い」と教え子の奮闘を期待している。 

 9月は、小学校での教育実習を開始した3日後にラスベガスに向けて出発。世界選手権に出場して帰国してすぐに小学校に戻り、さらに中学校での教育実習を3週間行うというハードスケジュールとなった。だが弱音は吐かない。「なんでも、楽しんでやりたいんです」と笑顔を見せる。

 55kg級は非オリンピック階級。世界選手権の先に考えていることを尋ねると、「優勝できたら、階級を53kg級に落とすことも考えています」と、新たな挑戦もにおわせる。高校教師になってレスリング部を指導し、群馬県のレスリングを盛り上げていきたいという大きな目標もある。

 いつもニコニコしているのが印象的な木村。アジア選手権に続き、世界選手権の表彰台でもメダルを手にし、女王の笑顔を見せて欲しい。


《関連記事・動画》

■2015年6月29日: 木村安里(群馬大)の話…国立大の学生選手としてレスリング界初の世界選手権出場を決める

■2015年6月23日: 【全日本選抜選手権・特集】部員2人だけの国立大選手が殊勲…女子55kg級・木村安里(群馬大)

■2015年5月9日: メダル獲得選手の声…アジア選手権第3日


 







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《オリンピック・レスリングNo.62》

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