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2015.09.01

【特集】2015年世界選手権へかける(23)…男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード)


男子フリースタイル 57kg 61kg 65kg 70kg 74kg 86kg 97kg 125kg
男子グレコローマン 59kg 66kg 71kg 75kg 80kg 85kg 98kg 130kg
 女   子  48kg 53kg 55kg 58kg 60kg 63kg 69kg 75kg

《山口剛・略歴》《山口剛・国際大会成績》《男子フリースタイル97kg級展望》《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子フリースタイル》


(文=樋口郁夫)

 2年前の世界選手権(ハンガリー)で8位に入賞。日本重量級の期待の星となった男子フリースタイル97kg級の山口剛(ブシロード)。昨年冬、遠征先のジョージア(グルジア)で左ひざのじん帯を断裂、半年以上のブランクを余儀なくされたが、強さは変わらなかった。

 今年のアジア選手権銅メダルの実績を引っ提げ、リオデジャネイロ行きのキップをかけた世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)へ挑む。今年はオリンピック翌年の2013年に比べると、休養していた選手が戻り、レベルが高くなっていることが予想されるが、「(自分も)あの時よりは絶対に強くなっている。体力、技術、精神力とも」ときっぱり。

 オリンピック予選という緊張が上乗せされることが予想されるが、「緊張しても仕方ない。リラックスして、自分の力を100%、120%出して勝ちに行きます。大事な試合になるほど、リラックスが大事だと思います」と、気負うことなく決戦の日を待っている。

■「外国選手は、スタミナがない」は間違い!

 ブランク中の徹底した筋力トレーニングが功を奏したのか、昨年末に復帰してからの山口の活躍は目覚ましい。3月のブリヤード国際大会(ロシア)とモンゴル・オープンで連続銅メダル獲得。そしてアジア選手権の銅メダル。「階級を上げたばかりに感じた、どうしようもないパワーの差は感じません」とは頼もしい限り。

 7月のジオルコウスキ国際大会(ポーランド)は上位進出を逃したが、「負けた相手は世界でも上位にくる選手。負けた中から見えた課題があった。世界選手権でなくてよかった」と前向きにとらえている。「メダルを取った3大会よりも有意義だったと言っていいかもしれません」とさえ言う。

 外国選手は「パワーや開始直後の瞬発力はすごいが、スタミナがない」という通説がある。日本選手が勝つ方法として、前半の猛攻をしのいでスタミナ勝負へもつれ、粘り勝つパターンがあると言われる。一理あるだろう。

 だが山口は、「外国選手はスタミナがない」という説は、「必ずしも正しくない」と言う。「強い選手は、パワーがあってスタミナもあるんですよ」。では、終盤ばてるのは? 「準決勝とか決勝で、相手も強いからなんです」-。

 強い相手だからこそ必死になって闘わねばならず、普通の試合以上のエネルギーを使う。並の選手、あるいはトップに至っていない選手までが相手なら、余裕をもって6分間を闘えるスタミナの持ち主ばかりだという。だからこそ、「1、2点リードされても、終盤へもつれれば…」などという考えは持てない。「最初からしつこく攻めてポイントを取りにいきます」と言う。

■“野獣の魂”を感じるジョージア選手

 山口の成長は、単独武者修業の成果であると言っても過言ではない。ブシロードのバックアップのもとでジョージアへ単独遠征を繰り返し、外国選手との闘いに慣れたことが大きい。今年も2月と7月に遠征している。

 この階級のジョージアは、世界レスリング連盟(UWW)のランキングに2~3人入る時があるなど、同国の黄金の階級。強豪を相手に鍛えるには最適の国。数年前から頻繁に行っているので生活習慣も慣れ、顔見知りも多い。けがをした“縁起の悪い国”であっても、足を運ぶ。

 練習では、地元選手の“野性味”というか、格闘技選手に必要な“野獣の魂”を感じるという。例えば、スキー場での山登りの体力トレーニング。高地なので心肺機能の鍛錬にはもってこいだが、同国選手は道でないところでも「近いから」と平気で登って行くという。ちょっとした崖があってもよじ登る。雪が積もっている時も同じだった。

 日本なら、例えば新潟・十日町市の“虎の穴”(女子合宿所)名物の「金メダル坂」での競争の時、どの選手も九十九折(つづらおり)の道を必死になって走るのが普通だろう。ジョージアの選手なら、田んぼの中を突き抜け、段差をよじ登り、手段を選ばず1位になる方法をとるのではないか。

 「国民性なのでしょうか」。日本のスポーツ界は根底に軍隊思想があり、一糸乱れぬ統制を求められることが多い。外国は自分流を貫くケースが多いような気がする。「どんな方法でも、1位になればいいだろ」という発想が、勝負の世界にどう影響するかは分からないが、ジョージア選手の破天荒ぶりに接していることは、何らかの面で役立ちそうだ。

 ジョージアへの単独遠征を重ねられるのも、ブシロードの支援のおかげ。「木谷(高明)社長と永田(裕志)監督には感謝したい。今回は無理ですが、リオデジャネイロには来てくれるそうですので、来てもらえるようにしたい」と、オリンピック出場枠を取ることで支援に応えるつもりだ。

 故郷の岐阜県体育協会からも、コーチ代という形での支援があり、期待を感じることのひとつ。勝つことで恩返しを目指す。


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